2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K24293
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
及川 哲志 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (20844997)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロRNA / RNA代謝 / 骨格筋 / 新生RNA / in vivo |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNAはタンパク質に翻訳されない低分子RNAであり,転写後調節によってタンパク質の発現量を抑制する.これまでに我々は,マウスの骨格筋中に発現する複数のマイクロRNAが,極めて安定に発現している可能性を見出した.マイクロRNAの代謝に関しては,培養細胞を用いて解析を行った報告が散見されるが,in vivoでマイクロRNAの代謝動態について検討した報告はない.そこで本研究では,新たに生成されたマイクロRNAをラベリング・追跡する技術を用いて,生体骨格筋におけるマイクロRNAの代謝動態(半減期)を明らかにすることを目的として検討を行っている. 本年度は,マイクロRNAを標識するため,新生マイクロRNAに取り込まれるウリジン類似体:5-Ethynyl uridine(EU)の投与量およびマウスに対する毒性,マイクロRNAのラベリング効率を検討した.はじめに複数の濃度(1~5mg)の5-EUを野生型マウスの腹腔内へ投与し,体重および生存期間を経時的に観察した.これによりマウスへの毒性が認められない濃度条件を決定した.次に複数の濃度(1~5mg)の5-EUを野生型マウスへ投与し,3,5,8時間後に骨格筋を回収した.これらからRNAを抽出した後,クリック反応によって5-EUが取り込まれたマイクロRNAを単離し,リアルタイムPCRによってそれらの発現を定量することで,新生マイクロRNAの経時的変化およびラベリング効率を決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,本年度は骨格筋マイクロRNAの代謝動態を明らかにするための条件検討を行い,マウスに対する毒性および骨格筋における新生マイクロRNAのラベリング効率を決定することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に決定した実験条件を参考とし,野生型マウスおよび2系統の遺伝子改変マウスを用いてマイクロRNAの代謝動態を検討する.
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Causes of Carryover |
計画していた研究が当初の想定よりも順調に進行し,予定していた予算額と実際の使用額に少々差額が生じたため,来年度購入予定である試薬などの消耗品費として補填する.
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