2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K24293
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
及川 哲志 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (20844997)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロRNA / RNA代謝 / 骨格筋 / ノンコーディングRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は小分子ノンコーディングRNAであるマイクロRNA(miRNA)の生合成に必須とされる酵素Dicerを薬剤誘導性に筋で欠損したマウスを作出したが,驚くべきことにこのマウスでは,DicerのmRNA発現が95%以上低下したにも関わらずmiRNAの発現低下は最大でも60%ほどであった.このことから,骨格筋に発現するmiRNAは高い安定性を有する可能性が示された.そこで本研究では,ウリジンアナログを用いたin vivo pulse-chase実験と薬剤誘導性miRNA欠損マウスを用いて,骨格筋miRNAの代謝動態を明らかにすることを目的とした.ウリジンアナログである5-ethynyl uridine(5-EU)(5 mg)をWTマウスの腹腔内へ投与し,6時間後から78時間後まで骨格筋を採取した.5-EUにより標識されたRNAを抽出しPCRによるmiRNA発現解析を行なった結果,筋に豊富に発現するmiRNAはすべて72時間以内に代謝されたことが明らかとなった.骨格筋で特に安定したmiRNAであると考えられたmiR-23aの代謝動態を明らかにするため,薬剤誘導性miR-23 cluster欠損マウスを作出した.このマウスにタモキシフェンを投与すると,骨格筋miR-23aの発現は急速に減少した.以上の結果から,生体骨格筋のmiRNAの安定性は我々が期待したよりも低く,筋に豊富に発現するmiRNAの半減期は10時間から30時間ほどであることが示された.
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