2019 Fiscal Year Research-status Report
子どもの最大筋力と疾走能力の関係および最大筋力測定のための簡易型装置の開発
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19K24297
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
九鬼 靖太 大阪経済大学, 人間科学部, 講師 (00843559)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 子ども / 最大筋力 / 疾走能力 / 発育発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,(1)下肢の最大筋力における経年的な発達を横断的に示し,疾走能力との関係を暦年齢ごとに明らかにすること,(2)子どもでも簡易的に下肢の最大筋力を測定できる安価な測定装置を開発することを目的として行われた.子どもにおける下肢の経年的な下肢筋力の発達特性が明らかになり,安価で簡易的に筋力を測定することのできる測定器具を開発することで,継続的な筋力測定とそれを用いた疾走能力向上のための指導法の確立に貢献することができると考えられる. 2019年度では,測定機器の調達と実験実施における日程調整を進めてきた.本研究では,下肢の最大筋力をアイソメトリックミッドサイプル(Isometric Mid Thigh Pull:IMTP)と呼ばれる測定方法で行うために鉛直方向の地面反力を測定できるフォースプレートおよび,IMTP用のラックが必要であり,両者ともに調達が完了および目処が立っている. 一方,本研究の実験は多くの小学生に被験者として研究に協力してもらう必要がある.そのため,小学校に協力を要請して実験を実施することを計画していた.実際の実験は,2020年度前期において学校がスポーツテストを実施する時期に合わせて実施することを計画している.現段階では,実験を依頼している小学校の管理職と日程調整を進めているところである. また,簡易的に下肢の最大筋力を測定できる機器の開発については,背筋測定器のような ストレインゲージを鎖で繋げたような測定器があり,その測定器を参考にして,IMTPの姿勢に類似した形で下肢の最大筋力を測定することのできる装置を計画しているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IMTP用のラックをイギリスから輸入する予定で購入したものの,2019年2月から深刻化したコロナウィルス感染拡大の影響を受けて,イギリスから日本への輸送に2ヶ月以上も時間を要してしまったものの,すでに器具到着の目処は立っている.一方,実験の実施予定についても依頼している小学校の管理職と連絡を取りながら調整しているため,大きな遅れはないものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度では,小学校にて横断的に児童の下肢最大筋力を計測するとともに,50mの疾走タイムや各種跳躍運動の測定を行う.測定日時については,2020年度前期中に実施し,データ分析については並行して進める予定である.得られたデータをもとに,小学生における下肢筋力の横断的な発達特性を明らかにするとともに,下肢筋力が疾走能力に及ぼす影響について巨視的に捉えることを目指し,研究成果は研究論文や学会発表を通して発信する予定である. また,得られた結果をもとに,児童の疾走能力向上に対して下肢筋力の観点からその指導法についても検討し,現場の教員と協議しながら児童の疾走能力向上の指導法確立を目指す. 一方,簡易的な測定器具の開発については,現在計画中の測定器具を具現化し,IMTPを用いた正規の測定結果との比較を通して,その測定器具から得られたデータの信頼性・妥当性を検討する.
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Causes of Carryover |
IMTPの測定用ラックを2019年度に購入予定であったが,イギリスから日本への輸送に時間を要してしまい,2020年度での支払いに繰り越した.
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