2020 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの最大筋力と疾走能力の関係および最大筋力測定のための簡易型装置の開発
Project/Area Number |
19K24297
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
九鬼 靖太 大阪経済大学, 人間科学部, 講師 (00843559)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 子ども / 最大筋力 / 疾走能力 / 発育発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,下肢の最大筋力の発達を横断的に示し,疾走能力との関係を明らかにすることを目的として行われた. 2020年度は,主に大阪府の公立小学校にて,アイソメトリックミッドサイプル(Isometric Mid-Thigh Pull:以下,IMTP)の実験,および30mの全力疾走と立ち幅跳びの測定を行った.対象は,小学2年生・6年生の男子44名とした.全ての実験は体育館で行い,必要な感染症対策を施して実施した.IMTPは,2019年度に調達した可動型フォースプレートとIMTPラックを用いて測定した.固定されたバーを5秒間全力で鉛直方向に引っ張った際の地面反力を測定した.地面反力は,鉛直成分のみを1,000Hzで記録し,得られた時間–力曲線におけるピーク値(Peak Force以下,PF)と体重あたりのPF(以下,PF/BM)を算出し,これらの下肢の最大筋力の指標とした. その結果,対象者全体において,PFは身長(r = 0.898)および体重(r = 0.857)と有意な相関関係が認められたが,PF/BMにおいては,身長および体重とは有意な相関関係は認められなかった.このことから,下肢の最大筋力は,身長や体重など形態の発育と強く関係していることが示された.また,全対象者においては,PFおよびPF/BMともに,30m走の平均速度および立ち幅跳びとそれぞれ有意な相関関係にあったが,PFと30m平均速度(r = 0.629)および立ち幅跳び(r = 0.519)との関係は,6年生でのみ有意な相関関係にあった.したがって,下肢の最大筋力は小学6年生などの高学年において,疾走能力や跳躍能力と関係性がより高くなるなど,運動パフォーマンスと体力的要素との関係は年齢によって異なる可能性が示唆された.
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