2019 Fiscal Year Research-status Report
筋グリコーゲン量の急速な減少・回復の繰り返しを強調した持久性トレーニングの効果
Project/Area Number |
19K24303
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
小島 千尋 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 契約研究員 (00845878)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 筋グリコーゲン量 / 持久性トレーニング / energy availability |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はenergy availability(EA)と呼ばれる十分な食事量を摂取できているか否かの指標を使用し、筋グリコーゲン量の増減を活用した新規のトレーニングプログラムを開発することを目的としている。本研究で目指すトレーニングはEAが十分である期間と不十分である期間を繰り返すことで筋グリコーゲン量の増減を数回繰り返し、さらなる筋グリコーゲン量の増加を図ろうとするものである。LEA期間における知見は先行研究において明らかにしているため、本研究ではトレーニングプログラムを開発するにあたり、十分な食事量を摂取するNEA期における最適な運動プロトコルを検証する。この際にはNEA期において実施する軽運動の強度、回数、実施タイミング(食前、食後)に着目をしている。 本研究においては筋グリコーゲン量を主要な知見としており、その測定には3テスラの超電導MR装置を使用した炭素磁気共鳴分光法(13C-MRS)を用いる。そこで1年目(2019年度)は13C-MRSを用いた筋グリコーゲン量の定量手技の獲得を行った。様々な運動やトレーニングに伴う筋グリコーゲン量の変化を13C-MRSを用い測定した。先述した通り、本研究は筋グリコーゲンの変化が主要な知見となり、手技の獲得は本研究を進める上で重要である。 また、2年目(2020年度)に実施する計画である最適な軽運動の検討において、詳細な実験プロトコルを決定するために予備実験を実施した。本研究では軽運動を実施し、血流を促すことで食事から摂取した糖を骨格筋に効率的に取り込み、筋グリコーゲン量のさらなる増加を図ることが可能となることを仮設として設けている。その際の運動強度や運動時間などは2年目に実施する実験において重要であり、1年目に実施した予備実験は2年目の活動において意義のあるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
軽運動の詳細なプロトコルを検討予定であったが、手技の獲得や予備実験に時間を費やしたため当初の予定より遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は予備実験の結果を踏まえ、本実験へと移行できる見込みである。 本来であれば3つの実験に分けて効果的な運動プロトコルを検証する予定であったが、計画が遅延しているため1つの実験で検証する計画に変更した。そのため予備実験を入念に実施した上で詳細な実験プロトコルを決定する計画としている。
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Causes of Carryover |
計画が遅れているため支出額が少なくなった。計画が遅延しているため当初の予定を変更し、1つの実験を2020年度に実施する予定である。この研究では被験者12名を対象に1人3条件(1条件につき1泊2日)を実施する比較的大規模な実験を計画している。また、この際には期間中の3食の食事や宿泊をコントロールする予定である。さらに、本来の計画から実験を減らし1つの実験で検証しようとしているため、予備実験も入念に行う必要がある。本実験における食事や宿泊費、予備実験における諸経費などで支出額は大きくなることが予想される。
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