2021 Fiscal Year Research-status Report
筋グリコーゲン量の急速な減少・回復の繰り返しを強調した持久性トレーニングの効果
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19K24303
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
小島 千尋 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 契約研究員 (00845878)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 筋グリコーゲン / 持久性運動 / 軽運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当初の目的は、筋グリコーゲンを意図的に増減させることでより効率的に筋グリコーゲン量を増加させる持久性トレーニングの効果を検証することであった。その目的の達成のため、筋グリコーゲンを増加させる効率的な軽運動を明らかにすることを研究課題の1つとしており、本年度はその研究を実施した。 筋グリコーゲンをエネルギー源とせず、血流のみを促進させる低強度の運動を実施することで食事からの糖の吸収をより効率的に実施できるのではないか?という仮説のもと実験を実施した。本実験実施の前に、予備実験において男性2名を対象に45分間の自転車ペダリング運動を最高心拍数(HRmax)の50%(50条件)または75%(75条件)の運動強度で実施し、運動前後での筋グリコーゲン量の変化を比較した。その結果、75条件では筋グリコーゲン量の低下がみられた一方で、50条件では変化がみられなかったため、本実験で使用する運動強度は50%HRmaxとした。本実験では、男性トライアスロン選手5名を対象に、トライアスロンを想定した高強度運動を実施した後、安静を維持する条件(CON)と軽運動を実施する条件(EX)の2条件をクロスオーバーデザインで実施した。EX条件では、高強度運動終了3時間後において軽運動を実施した。それぞれの条件において、高強度運動前、運動直後、運動終了6時間、24時間後の4回にわたり筋グリコーゲン量およびVAS法による主観的指標を評価した。また、運動前および運動終了後においては、体重および飲水量を測定した。現在のところ2名が2条件を終了し、3名が1条件を終了した段階である。 今年度に実施した研究で得られた知見は、より効率的な筋グリコーゲン量の回復方法の開発に寄与する可能性のあるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定とは異なり、2021年度中に1つの実験を実施する予定であったが、被験者全員の測定を2021年度中に終了することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度6月までには残りの3名の測定を終了できる予定である。さらに4名程度被験者を追加し年度内に実験を終了、解析、論文執筆に移行する。
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Causes of Carryover |
全被験者5名中2名の測定が終了したが、3名の測定が終了できず、また、被験者追加の予定もあるため、次年度の使用が生じた。 予算の残りは測定および学会参加費用に使用する予定である。
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