2019 Fiscal Year Research-status Report
男女の身体的特徴の違いが平泳ぎキック動作に与える影響
Project/Area Number |
19K24305
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
松田 有司 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 契約研究員 (50636371)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 男女差 / 水泳 / 競技力向上 / 技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
男女では筋力、柔軟性、下肢構造など様々な身体的性差が存在する。それゆえ、平泳ぎキック動作の推進力の獲得方略が大きく異なる可能性があり、男女に適した技術指導やトレーニングが行われるべきであると考えられる。本研究は、競泳選手の男女の下肢に着目し、1)3次元動作、2)下肢筋活動パターン、3)下肢筋の発達程度、4)下肢柔軟性・構造の違いを男女間で比較、多角的、包括的に男女の下肢キック動作方略の違いを検討することを目的とする。 本年度、男子8名女子5名の競技レベルが高い泳者(日本代表レベルの選手を複数人含む)を対象に、実験を実施した。水泳中の3次元動作は水中モーションキャプチャーで、筋活動パターンは筋電図計を用いて計測を実施した。動きと筋電図は同期できるようなシステムを構築して計測を行った。3次元キネマティクスを算出可能な精度で測定が実施できていることを確認できている。プログラムを組んで下肢関節の3次元角度、角速度の算出ができることも確認済みである。被験者数・試技数が多いことより、特に位置データを算出することに時間を要しており、分析を進めている状況である。また、下肢柔軟性は理学療法士による下肢柔軟性の測定を行い、股関節の内外旋角度、足関節の底屈・背屈の可動域を計測した。下肢筋の発達程度はMRIを用いて大腿部、腰部の画像撮影を行い分析を行った。今後、成果は学会発表や学術論文として発表する予定である。しかしながら、被験者の人数が十分ではないため、次年度に特に女性の被験者数を増やして実験を行うことが必要になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多くの被験者、かつ競技レベルが高い泳者をリクルートすることができた。実験で取得したキネマティクス、筋電図データの精度も高いことを確認済みである。現在分析を進めているが、3次元的な関節角度の動きを捉えるために、多くのマーカーを貼付し試技を行っているため、マーカーの選別作業に時間を要している。また、多くの筋肉に筋電図計を添付しているため、分析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は多くの被験者を対象に実験を実施する事ができた。分析に時間を要することから、今後は分析に多くのエフォートを割くこととなる。3次元動作、筋活動、柔軟性、筋量と様々な分析を行っており、それらが競技力の高さ、性差にどのように関連するのかについて、総合的に判断をしていくことを計画している。また、多変量解析を含む様々な統計手法を用いて、多角的な視点で分析を進めていく。また、女性の被験者の数が男性よりも少ないことから、女性の被験者を対象に実験を実施する予定である。併せて、成果を学会や学術論文で発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の最後に実験を実施する予定であり、謝金・交通費として使用予定であったが、コロナウイルスの影響により実験が延期となった。次年度においては、延期した実験を実施し、計画予定であった謝金・交通費に充当させる予定である。
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