2022 Fiscal Year Annual Research Report
男女の身体的特徴の違いが平泳ぎキック動作に与える影響
Project/Area Number |
19K24305
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
松田 有司 日本福祉大学, スポーツ科学部, 准教授 (50636371)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 男女差 / 水泳 / 競技力向上 / 技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
男女では筋力、柔軟性、下肢構造など様々な身体的性差が存在する。それゆえ、平泳ぎキック動作の推進力の獲得方略が大きく異なる可能性があり、男女に適した技術指導やトレーニングが行われるべきであると考えられる。本研究は、競泳選手の男女の下肢に着目し、1)3次元動作、2)下肢筋活動パターン、3)下肢筋の発達程度、4)下肢柔軟性・構造の違いを男女間で比較、多角的、包括的に男女の下肢キック動作方略の違いを検討することを目的とする。 実験期間を通して競技レベルが高い男子と女子選手の、下肢3次元動作,下肢筋活動、柔軟性、下肢構造などのデータを得ることができた。男子選手と女子選手とでは、下肢の柔軟性に違いがあり、特に股関節の内外旋のROM(Range of motion)に有意な差が認められ、平泳ぎの動作においても、男女で動作の可動域の大きさに男女差が認められた。しかしながら、男子選手においても股関節の可動域が大きい選手もおり、また女子選手でも可動域が小さい選手もいた。それらの選手は動作における可動域も、柔軟性と同様の結果を示すことが明らかになった。下肢筋活動についても調べ、男女差を検討したが、同様の筋活動パターンを行っており、男女で大きな差は認められなかった。 本研究は速度を変化させた際の、3次元動作や筋活動パターンの男女差についても検討を行ったが、速度を変化に対する、動作や筋活動の変化パターンに男女差は認められなかった。しかしながら、速度変化に対する動作や筋活動の変化について言及した研究はなく、特に蹴り下ろしフェーズにおいて、動作・筋活動が顕著に変化することが明らかになったことは興味深い結果である。
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