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2019 Fiscal Year Research-status Report

体育科の思考力の獲得に向けた指導モデルの開発-小学校高学年を対象として-

Research Project

Project/Area Number 19K24317
Research InstitutionIkuei University

Principal Investigator

吉井 健人  育英大学, 教育学部, 准教授 (80850966)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2021-03-31
Keywords体育科 / 思考力 / 指導モデル / タブレットPC / 批判的思考
Outline of Annual Research Achievements

これからの変化の激しい社会において、児童・生徒が直面するであろう諸問題に対し、情報を収集し、他者と協働・協調して、それらの情報を統合して、新しい答えを創出できるような汎用的な資質・能力が必要となることが報告されている(国立教育政策研究所、2015)。この汎用的な資質・能力は、これからの教育で獲得すべき重要な能力であると主張されてきた。2013年に21世紀型能力」が提案された。この能力も「思考力」、「基礎力」、「実践力」と3層で捉えられ、その中核が「思考力」である(国立教育政策研究所、2015)。しかしながら、思考力の育成に関し、効果を発揮する指導モデルは、開発されてない。近年、ICTを利用した取り組みや報告が多くみられる。文部科学省は、「教育の情報化ビジョン」を取りまとめ、「学びのイノベーション事業」を実施してきた。そこでは、情報機器を活用することで、子供同士が意見交換や発表を行うなど、協働的な学びなどの指導方法を通して、思考力、判断力、表現力等を育成することが期待されている。
以上から、体育科の指導内容を通じた思考力を獲得する指導モデルを開発する必要性が示唆された。そこで、タブレットPCを組み合わせた指導モデルを開発し、その効果を検証することで新たな指導モデルを提案できると考えた。
本研究の目的は、体育科の思考力の獲得に向けた指導モデルを開発し、その効果を明らかにすることである。特に、小学校高学年を対象とする。
具体的には、第1に、これまでの体育の指導モデルとそれらにタブレットPCを組み合わせた指導モデルについて、体育科の思考力に関する言語活動を比較検討した。第2に、体育科の指導内容に関する批判的思考評価票を作成した。第3に、開発した新たな指導モデルを適用し、批判的思考評価の分析を通して、体育科の思考力に及ぼす効果を検討する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

第1に、小学校高学年児童を対象にこれまでに提唱された体育科の指導モデルとタブレットPCを組み合わせた指導モデルを比較し、思考力が獲得されるか検討を行った。具体的にはした協同学習モデル及び仲間学習モデルとした。それらの指導モデルにタブレットPCの組み合わせた指導モデルを比較検討した。
第2に批判的思考評価票の作成では、小学校5、6年生の3校232名を対象に調査を行った。批判的思考評価の質問紙を作成するために、理科などの教科や教科外における批判的思考に関する先行研究の項目をもとに、体育科教育学の研究者3名及び小学校教諭2名で項目を検討し直した。収集された質問紙を基に天井効果の検討及び主因子法・バリマックス回転による因子分析を行い、思考力を測定可能な項目を検討した。
第3に、タブレットPCを組み合わせた新たな思考力を獲得させる新しい指導モデルを開発し、小学校の体育授業に適用し実践を行った。
以上のように、研究で計画していた3つの研究の調査及び実践が計画通り行われた。

Strategy for Future Research Activity

第3の研究であるタブレットPCを組み合わせた新たな思考力を獲得させる新しい指導モデルを、小学校の体育授業に適用した実践で収集されたデータの結果を基にその指導モデルの効果を検討する。具体的には、次のとおりである。
6年生3クラスは、学習モデルを適用した介入条件の単元のデザインを実践した。その実戦でのデータを基に思考力が高まったかどうかを検証する。
学習モデルは、仲間学習モデル及び、共同学習モデル、思考モデルの3つを基本とし、それらの学習モデルとタブレットPCの使用を組み合わせて実践を行った。これらの学習モデルは、思考力を高められるようにプログラムしていた。
仲間学習モデルは、先生役と生徒役の役割を分担する学習モデルであった。共同学習モデルは、学習内容ごとに担当を決め、分担する学習モデルであった。思考モデルは、新たに開発したモデルであり、ワークシートを用いて思考したことを振り返るようにするモデルであった。さらに、これらのモデルとタブレットPCの使用を組み合わせた。それぞれのモデルの授業の中でタブレットPCを使用し、動きを撮影し、見直す際にタブレットPCを使用した。これらの授業の単元前後に第2の研究で開発した批判的思考評価票を実施した。それらで得られたデータを因子ごとに2要因分散分析を用いて分析することを予定している。また、その結果を踏まえて、データを補足するための授業の実践計画が必要とになれば計画し実践を行う予定である。

Causes of Carryover

研究旅費(50,000円)は研究打ち合わせ予定であったが、コロナウイルス感染症対策の為中止となった。また、データ分析(100,000円)を依頼していたが、都合がつかず行うことができなかった。
翌年度のデータ分析(100,000円)や研究打ち合わせの研究旅費(50,000円)等で使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 小学校体育授業における思考・判断を促すICTの活用及び指導モデルの実践的研究:Peer Teachingと協働 学習モデルを比較して2019

    • Author(s)
      吉井健人,大友智,深田直宏,宮尾夏姫
    • Organizer
      日本体育学会第70回大会(於慶応義塾大学)
  • [Presentation] Practical study on using the Cooperative learning model with ICT to promote thinking and judgment in an elementary school’s fifth grade physical education class : Focusing on differences in motor skills2019

    • Author(s)
      YOSHII Takehito, OTOMO Satoshi, FUKADA Naohiro, MIYAO Natsuki, TSUKIDA Naoaki, NISHIDA Jun-ichi
    • Organizer
      The 2019 International Conference for the 8th East Asian Alliance of Sport Pedagogy(Waseda UNIV.)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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