2022 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者および住民ボランティアの視点による虚弱高齢者の社会活動に関する研究
Project/Area Number |
19K24318
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
安齋 紗保理 城西国際大学, 福祉総合学部, 助教 (60649151)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 社会活動 / 社会参加 / 虚弱高齢者 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,虚弱高齢者の社会活動の参加促進要因・阻害要因を検討することを目的に,虚弱高齢者を対象としたインタビュー調査による質的調査および郵送調査を実施した。 虚弱高齢者3名を対象としたインタビュー調査から,「社会活動の実施会場まで距離がある」,「社会活動に一緒に行く友人がいない」,「心身機能に衰えがある」,「社会活動に参加することで他の参加者へ迷惑をかけると考える」,「社会活動実施において担える役割がない」が社会参加の阻害要因として選択された。抽出された5つの要因を基に量的調査を実施した。量的調査の対象者は29,429名で22,728名から回答があった(回収率77.2%)。そのうち,本研究において虚弱高齢者と定義した要支援認定者は,1,008名(要支援1:482名,要支援2:526名)であった。量的調査では,質的調査から抽出された虚弱高齢者の社会参加の阻害要因について「自宅から歩いて行ける範囲に会場がなければ参加しない」, 「一緒に行く友人・知人がいなければ参加しない」,「他の人より体力が低いと感じていれば参加しない」,「他の人と同じように参加できる自信がなければ参加しない」,「催しの手伝いをする必要があるならば参加しない」の5項目によって調査した。虚弱高齢者および非虚弱高齢者(年齢,性別,経済的ゆとり,独居,主観的健康感から傾向スコアを算出し,虚弱高齢者とマッチした1,008名)のそれぞれにおいて,社会参加の有無を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。 その結果,非虚弱高齢者において社会参加の有無に「催しの手伝いをする必要があるならば参加しない」(OR:0.61,p=0.01)が関連要因として抽出された。虚弱高齢者においては,阻害要因として抽出した5項目のいずれも関連要因として抽出されなかった。
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