2020 Fiscal Year Annual Research Report
The development of the brand-new transcranial static magnetic stimulation for deep brain targets
Project/Area Number |
19K24329
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
芝田 純也 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (70844166)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 非侵襲的脳刺激法 / 経頭蓋静磁場刺激法 / 脳深部刺激 / ニューロモデュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
近年報告された経頭蓋静磁場刺激法は、強力な小型磁石を頭表に留置することで、脳皮質の活動を抑制できる。磁場は電場と異なり頭蓋骨でその強度が減弱されず、静磁場刺激はてんかん発作や火傷などをきたさない。安全かつ安価だが、磁場は磁石からの距離の3乗に反比例して減弱するため、脳深部領域では神経機能の調節に有効な磁場が形成されないと考えられていた。 本研究では、手術不要の脳深部刺激を可能にする安全かつ安価な磁場刺激(シン磁場刺激)の開発に挑んだ。シン磁場刺激では、頭蓋外から複数の磁場を作用させ、合成された磁場で脳深部領域の刺激を試みた。 初年度は、頭蓋内に形成される静磁場のシミュレーションを行い、そのシミュレーションの結果に基づきシン磁場刺激装置を作成した。さらにシン磁場刺激装置が形成する静磁場を空気中で実測した。表面磁束密度5340 G(吸着力88 kgf)のネオジム磁石(NdFeB、直径50 mm,幅30 mm)3個を正三角形の頂点に配置し、頭部を均一な球と仮定して、頭蓋内における静磁場の強さをシミュレーションした。その結果、頭部表面から深い部位まで大きな磁場が形成されることを確認できた。シミュレーションの磁石配置に基づき3個の磁石を用いてシン磁場刺激装置を作成した。空気中で静磁場を実測したところ、シン磁場刺激装置は従来の経頭蓋静磁場刺激よりも、磁石から離れた部位で大きな静磁場を形成することを確認できた。 最終年度は、初年度で開発したシン磁場刺激装置を用い、正常健常人の一次運動野に対して実際に刺激を行った。被験者全例において20分間の刺激を安全に行うことに成功した。また、こちらも初年度に開発した、外見・重量が同じ偽刺激用装置による刺激も行い、被験者に本刺激と偽刺激の違いを確認した。いずれの被験者も、本刺激と偽刺激を見分けることができなかった。
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Research Products
(5 results)