2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K24369
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
市川 淳 神奈川大学, 工学部, 助教 (90807942)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 協調 / インタラクション / 集団運動 / 視点 / 予測 / 他者モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,複雑で動的な運動協調における他者視点の理解や予測認知を検討することである.2019年度は認知科学や心理学,スポーツ科学,生物学など協調に関連する研究を幅広くレビューした.そして,発展的な議論に向けて集団運動と認知を関連づけるアプローチを提案したうえで,その新奇性や意義を説明した.また,アプローチの適用例として子どもの集団遊びから予測認知の発達を議論した申請者らの研究を紹介した (Ichikawa, Fujii, Nagai, Omori, & Oka, 2021, PLOS ONE).一連の展望論文は学術雑誌に掲載された (市川・藤井, 2020, 認知科学). さらに,同年度には提案したアプローチから,三者による運動協調で重要な役割を検討する実験を行った.各参加者がリールを回して糸の張りを調整し,3本の糸につながれた1本のペンを動かして正三角形をなぞる課題 (丸野, 1991, 発達心理学研究) を繰り返し行わせ,ペンの位置や張力を計測した.2020年度は,計測した集団運動のデータを分析した.結果,より素早く一辺をなぞり終えるという課題の成果を示すパフォーマンスの向上には集団全体のバランスを保つ役割が寄与することを統計モデリングから示した.この役割はなぞり課題に限らず,スポーツ競技のチームワークなどでも求められ,基盤には他者視点の理解や予測認知があると考えられる.成果をまとめた研究発表が日本認知科学会第37回大会で大会発表賞を受賞した.さらに,そこから議論をブラッシュアップした論文が認知科学の国際会議で採択された (Ichikawa & Fujii, accepted, CogSci2021).
|
Research Products
(8 results)