2020 Fiscal Year Research-status Report
An ergonomics study of a haptic interface using a pulling illusion
Project/Area Number |
19K24374
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田辺 健 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (60847557)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 牽引力錯覚 / 人間工学 / ハプティクス / ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目は牽引力錯覚を利用したハプティックインタフェースのヒトレベルでの設計論を明らかにするために,錯覚と上肢運動の相互作用から錯覚の機序に迫った.まず,上肢運動を計測でき,さらに運動中に錯覚による牽引力や物理的な牽引力を提示できるロボットマニピュランダムシステムを開発した.本装置を用いて,上肢運動が錯覚に与える影響を明らかにする予備実験を実施した(N=3).その結果,到達運動(目標位置に手を伸ばす運動)時に運動の方向に錯覚による牽引力を提示した場合,運動の軌跡自体は変化しないが,運動主体感が低下することが確認された. 以上の実験をより多くの被験者を募って実施する予定だったが,新型コロナウイルス感染症の拡大により実験ができなくなったため,本研究課題の期間を延長した.被験者実験の代わりに,牽引力錯覚の知見の整理と具体的な応用を目指したハプティックインタフェースの開発に取り組んだ.1点目に関して,現在までに報告された牽引力錯覚の知見を精査することで,ハプティックインタフェースを設計する際の必要要件を明らかにし,総説論文として発表した.2点目に関して,視覚障害者が白杖の操作方法を取得するために,牽引力錯覚を利用して適切な操作を教示する白杖型インタフェースを開発した.1年目に牽引力錯覚を誘発できる非対称振動のパラメータを明らかにしており,本インタフェースはこの知見に基づいて設計された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
牽引力錯覚を利用したハプティックインタフェースのヒトレベルでの設計論を明らかにすることを目指しており,予備実験によって上肢運動が錯覚に与える影響の基礎的な特性を確認した.一方で,新型コロナウイルス感染症の拡大により,詳細な被験者実験を実施することができなかっため,データの妥当性を示すことができなかった.実験準備はおおむね完了しているため,被験者を募ることができるようになれば,すぐに実施できる状態である. なお,1年目の成果をまとめた原著論文が2編,国際会議論文1編が受理された.また,牽引力錯覚に関する知見を整理し,総説論文として発表した.
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒトレベルでの設計論を明らかにするために牽引力錯覚の機序解明に迫る.具体的には,到達運動中に錯覚による牽引力や物理的な牽引力を提示し,運動の軌跡への影響や主観的な運動の感覚を評価する.また,受動・能動運動の条件でも検証を行い,運動指令の有無によって錯覚がどのように変化するかを明らかにする.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により,被験者実験ができなかったため,実験に関する予算が執行できなかった.
|
Research Products
(6 results)