2019 Fiscal Year Research-status Report
Studies on ecological impacts of alien aquatic plants on aquatic and terrestrial ecosystems
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19K24393
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
安野 翔 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 技師 (80850007)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | オオフサモ / 付着動物 / クモ / 食物網 / 安定同位体比 / GIS / オオカワヂシャ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、外来水生植物の調査水域の選定、予備調査及び春季のサンプリングを行なった。特定外来生物であるオオフサモが繁茂する埼玉県内の2か所(坂戸市内農業用水路、本庄市元小山川)を調査水域とした。3月にオオフサモ及び他の水生植物に付着する動物のサンプリングを行なった。いずれの水生植物においても、ユスリカ幼虫が優占していたが、オオフサモでは他の水生植物に比べて微小巻貝が多く付着している傾向が見られた。現在、付着動物の種同定及び集計を進めているところである。 オオフサモ葉上の食物網解析については、オオフサモが十分な範囲で水上葉を展開している元小山川で調査を実施することとした。予備調査の結果、オオフサモ水上葉では、キクヅキコモリグモやキバラコモリグモといった湿地性の徘徊性クモが比較的多く確認された他、水上葉の中に多数の双翅目昆虫の生息が確認された。すでに春季のサンプリングを終えており、安定同位体分析に向けてサンプル処理を進めているところである。 埼玉県における外来水生植物のポテンシャルマップを作成するために、「侵略的外来生物県民参加モニタリング調査事業」で得られた県内の外来水生植物の分布データ(3次メッシュ単位での在・不在データ)の整理を行った。また、今後県内での分布拡大及び生態系への悪影響が懸念される、特定外来生物のオオフサモ、オオカワヂシャについては、県外における公開データを収集、整理を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査地の選定、予備調査及び外来水生植物に付着する水生動物の定量サンプリングを予定通り行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
付着動物群集のサンプリングを夏季に実施予定である。オオフサモ葉上のクモ・昆虫群集については、現地の状況を見ながら年2回程度の調査を行う予定である。外来水生植物のポテンシャルマップ作製については、3次メッシュごとに環境データを格納し、分布モデルの構築を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度の現地調査及びサンプル採集を3月に行ったため、安定同位体比試料の購入を次年度にも落ち越すこととなったため、次年度使用額が生じた。次年度は、採集したクモや昆虫の炭素・窒素安定同位体比測定を行う予定であるため、試薬を購入する予定である。旅費については、2021年2月に先進陸水海洋学会(スペイン)での成果発表のために使用する予定であるが、新型コロナウィルスによる影響を踏まえ、必要に応じて参加学会を再検討する。
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Research Products
(4 results)