2020 Fiscal Year Research-status Report
シナプス分化因子と間葉系幹細胞によるALS神経変性の抑制メカニズムの解析
Project/Area Number |
19K24690
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
西宗 裕史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (40870043)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経筋接合部 / ラミニン / アクティブゾーン / 運動神経 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年4月に米国より帰国し、本年度は研究室セットアップを終え、本研究計画に必須なヒト間葉系幹細胞を米国の共同研究者から入手するためにMTAを締結し細胞を入手し、ポスドク研究者を採用できた。計画に基づいた実験を行い、ヒト間葉系幹細胞から分泌されるラミニンβ2と神経栄養因子などがSOD1^<G93A>マウスのALS症状を緩和と生存期間の延長に必須なことを強く示唆する結果を得た。また、査読あり英語論文を2報、日本語総説を1報、学会発表を1つ発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年4月に米国カンザス大学医学部から東京都健康長寿医療センターに転職した。本年度には研究室セットアップと実験機器の購入を終え、研究を進められる実験室環境を整えた。本研究計画に必須なヒト間葉系幹細胞を米国の共同研究者から入手するためMTAを締結し、幹細胞を入手できた。適任者の採用に時間がかかったが、ポスドク研究員を公募により採用できた。 実験計画3-2-2 通常条件で培養し、ラミニンβ2と神経栄養因子の分泌が促進されていないヒト間葉系幹細胞をSOD1^<G93A>マウスに注入したところ、ALS症状は緩和せず生存期間を延長しなかった。この結果は、ヒト間葉系幹細胞から分泌されるラミニンβ2と神経栄養因子などがSOD1^<G93A>マウスのALS症状を緩和と生存期間の延長に必須なことを強く示唆している。つまり、ヒト間葉系幹細胞を注入しただけではこれらの治療効果は得られず、我々の発見したヒト間葉系幹細胞の改良培養条件が重要であることを示すことができた。これらの進捗状況から実験計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、実験計画3-2-1、間葉系幹細胞のRNA-seq発現遺伝子解析し、ラミニンβ2と神経栄養因子の分泌が促進されるメカニズムと、それら以外でヒト間葉系幹細胞から分泌されるサイトカイン群の同定を試みる。これらの結果を先述した実験計画3-2-2の成果と比較することで、SOD1^<G93A>マウスのALS症状を緩和するメカニズムの解明を試みる。本プロジェクトを研究計画に基づきを推進する主要研究員に成長してもらうため、ポスドク研究員を教育訓練する。
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Causes of Carryover |
JREC-IN Portalや所属研究所ホームページ人材募集欄で公募したが、プロジェクトに適任な応募者がなく、研究員の採用に時間がかかった。2021年初旬に適任研究者を採用できたので、本年度予定していた人件費を次年度使用する予定である。
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Research Products
(5 results)