2021 Fiscal Year Annual Research Report
RNA processingを起点にした新規がん治療標的の探索
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19K24691
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
吉見 昭秀 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長
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Project Period (FY) |
2020 – 2021
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Keywords | スプライシング因子 / 遺伝子変異 / RNA結合蛋白質 / SRSF2 / SF3B1 / 白血病 / 神経膠腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
①SRSF2変異による発がん機構の解明:変異型SRSF2により生じるGSTM2およびCIDEB遺伝子のintron retention(IR)部位を含む領域をクローニングしたminigeneを構築し、複数のG-rich配列をC-richに置換した結果、それぞれIRが改善したことから、変異型SRSF2による連続したIRは、その間に位置するexonがG-richのときに起きることが強く示唆された。また、現在、上記のIRに対するAntisense Oligonucleotideを合成し、スプライシング異常の改善および生物学的影響を評価している。 ②SF変異がないにも関わらずsplicing異常をもつがん:IDH1/2遺伝子変異を有する神経膠腫患者検体においてグローバルなスプライシング異常が生じていることを申請者は発見したが、実際にIDH1R132H変異を神経膠腫細胞株に導入したところ、同様のグローバルなスプライシング異常が誘導され、確かにIDH1変異がスプライシング異常を誘導することが確認された。また、国立がん研究センター中央病院脳脊髄腫瘍科からIDH遺伝子のgenotyping済みの臨床検体を33例入手し、病態の鍵となるスプライシング異常を絞り込むためにRNA sequencingを実施したところである。 ③RNA結合蛋白質(RBP)の治療標的化検討:各種がんにおけるRBPへのoncogenic addictionを評価するためのRBP CRISPR Screeningを実施するために、スプライシング変異陽性・陰性の各種細胞株K562・Nalm-6(白血病)、U-87(神経膠腫)、MEL270(メラノーマ)、A549(肺癌)、PANC-1(膵癌)細胞にCas9遺伝子を導入し、また約500種類のRBPを標的とするsgRNA libraryの合成を完了した。
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Research Products
(9 results)