2020 Fiscal Year Research-status Report
肥満が誘発する慢性炎症に関連する新たな分子・神経・免疫基盤の解明
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19K24693
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野崎 千尋 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (10867295)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カンナビノイド / 内因性カンナビノイド / CB2受容体 / 肥満 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度に実施した研究成果は、研究の開始および施設の移動に伴う新たな研究環境構築である。科研費の交付内定後に予想外の国内異動が決まった中、新施設と国内旧施設が有する機材が全く異なるため、双方にどのような研究機材があるかを洗い出し、本研究に必要となる機材のうち新施設に無いもので、かつ使用頻度が高くなるであろう物を中心に、特に大型の機材を揃え、そのセットアップを行った。加えて国外旧施設から供与されることが決定していた遺伝子改変動物およびサンプルの輸入を、国内旧施設ではなく新施設に向けて移動できるよう、各種手続きを進めた。その中で当初凍結精子の形で輸入する予定だった動物の個体化を元の国外施設で行い、生体の形で輸入できるように手はずを整えた。また一方で新施設内の他研究室と協力関係を結び、本研究計画を協力して行う体制を整えるとともに、本計画外の共同研究計画も推進し始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科研費が交付内定した後に、全く予測をしていなかった異動が決定してしまったことに加え、新型コロナ蔓延の影響で研究の要となる遺伝子改変動物およびサンプルの輸入が滞っている結果、研究は遅延している。特に旧施設で使えていた機材の同等品および解析ノウハウが新施設に無く、一方で旧施設に無かった(しかし研究に必要となる)機材、むしろそれ以上の機材とノウハウが新施設には揃っているなど、研究に用いる機材の大幅な見直しおよび計画の練り直しを迫られた年度であった。しかしながら上記の通り新施設の機材等に合わせた研究機材のセットアップがほぼ終了したこと、また長らく滞っていた輸入の目途がようやく立ったことで、改めて研究を推進できる状況になったといえる。特に凍結精子で輸入予定だった動物を輸出元で個体化できたことで、時間短縮およびコスト削減を図ることができたため、今後は輸入後随時繁殖を行い、研究を推進する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は今年度導入したアナライザーを用いたマルチカラー解析の整備を行うとともに、ノックアウト動物の繁殖および解析、さらに電気生理学的解析に耐え得る神経組織の初代培養系の構築を行う。上記の通り凍結精子からの個体化の手間が無くなった分即時繁殖に入ることができ、かつ比較的繁殖力の強い系統であるため2世代後には行動解析にも十分使える数の動物が揃うと目される。行動解析・イムノフェノタイプ解析および初代培養系の構築に必要な機材が手元に揃ったこと、また同一施設内に電気生理に極めて強い研究室があり、電気生理学的解析はその研究室との共同研究として進めていく算段がついたことから、令和3年度は遅れを取り戻す形で研究を推進できるものと考えている。
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Causes of Carryover |
上述した通り異動およびコロナ禍の影響で前所属先からのサンプルの輸入計画や機器の購入計画を含めた研究計画を大幅に見直す必要が出たこと、学会等行く機会が激減したこと、またそもそもの研究開始時期(交付申請を行った時期)が8月と遅かったことから、機器の購入時期も含め全体に遅れが生じ、結果として余剰額が出た形である。しかし当初今年度分として計上した金額が機器(セルアナライザー)を完全な形で購入するまでには至らない額だったため、そのアップグレード費用および大量に購入すべき消耗品を含め、次年度は様々な形で大きな支出が生じる予定である。
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Research Products
(2 results)