2019 Fiscal Year Research-status Report
Documentation of Endangered Languages and Cultures of Northeast India
Project/Area Number |
19KK0007
|
Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
林 範彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (40453146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 俊樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 名誉教授 (50260055)
倉部 慶太 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80767682)
西田 愛 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (90723693)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
Keywords | インド北東部 / 危機言語 / ドキュメンテーション / チベット・ビルマ諸語 / タイ・カダイ諸語 / モン・クメール諸語 / 言語接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究課題の採択が10月に行われ、再度研究分担者と研究協力者に研究計画についてウェブ上で議論した。その計画に基づき、以下の実績を得た。 (1) 研究代表者・林および研究分担者・長田は2020年2月にインドに渡航し、今回の研究計画におけるカウンターパートであるインド工科大学グワハーティー校を訪問した。同校のPriyankoo Sarmah准教授と今後の研究計画を打ち合わせ、インド北東部、とりわけアッサム州・マニプール州・アルナーチャル・プラデーシュ州の言語・文化の調査の計画について検討した。また同校在学のアルナーチャル・プラデーシュ州およびミゾラム州出身の大学院生に現地状況の概要および言語データのインタビューを行った。またグワハーティー郊外にあるムンダ人コミュニティを訪問し、社会言語学的な状況調査を行った。 (2) 研究分担者・西田はインド・アッサムから東ブータンにかけて、チベット仏教文化の調査と資料収集の実施した。具体的には、インドとの国境にある東ブータンのサムドゥプ・ジョンカル県及びタシガン県のチベット仏教寺院において占いの調査を行なった。インド・アッサム地域では国境付近であっても仏教寺院は見当たらなかったが、今後の研究の予備調査を行えた。 (3) 研究協力者・村上は2020年1月から断続的にマニプール州・アッサム州などでの言語調査を精力的に行い、ヴァイペイ語・コム語・タンクール語のデータ収集を行った。またメガラヤ州シロンでは漢語系話者のコミュニティを訪問し、言語使用状況のインタビューを行った。2020年2月にはアッサム州コクラジャールで開催された北東インド言語学会で研究発表も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題採択後、研究協力者の村上武則をインド北東部に派遣し、マニプール州やアルナーチャル・プラデーシュ州の言語調査では初年度ながら非常に大きく成功したとみなして良い。また研究代表者・林および研究分担者・長田はインド工科大学グワハーティー校との協力関係を確認し、今後の現地調査および共同研究の計画も整ってきている。研究分担者・西田もブータン東部からインド北東部での予備調査も開始した。研究分担者・倉部は3月調査を行う予定がコロナウィルス蔓延につき中止せざるを得なくなったが、調査前の準備を現在充実させている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年3月にインド政府は全ての発行済みビザの無効化を行い、今後インドでの現地調査がいつ再開できるのか、不透明な状況にある。インドビザ発給の再開の目処が立ち次第、現地調査を行えるよう、準備を進める。 また、現地カウンターパートであるインド工科大学グワハーティー校でのヒマラヤ言語学シンポジウム開催やワークショップ開催についても本科研で共同して行う予定であったが、オンライン開催などを検討する必要もある。
|
Causes of Carryover |
2019年度末に調査を予定していたが、2020年度1月下旬から中国をはじめとして、新型コロナウィルスの蔓延拡大が生じ、調査計画の中止・延期を余儀なくされた。インド政府によりビザ発給が現在停止した状態で、今後の状況は不透明であるが、次年度使用額としては2019年度にインド北東部で行えなかった分の言語調査や実態調査を2020年度に行う予定である。
|
Research Products
(8 results)