2022 Fiscal Year Research-status Report
An Investigation for the Imazeki collection located in American Libraries
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19KK0008
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
住吉 朋彦 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (80327668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 貴司 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20229230)
矢島 明希子 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 講師 (20803373)
陳 捷 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (40318580)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 日本漢籍 / 蔵書学 / 今関天彭 / 書誌学 / 考証学 / 三井文庫 / 日本漢詩 / 文献学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はまず中国に拠点を置く鄭幸氏、研究分担者陳他3名により、古城坦堂『雑録』の研究をリモートで行った。また斯道文庫収蔵の今関家資料につき、分担者堀川が整理を進捗、今関氏による五山文学研究の存在等を明かにした。 次で日米間の渡航制限が緩和されたことから、7月31-8月8日に代表者がカリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館(以下UCB, EAL)での調査を実行、今関旧蔵等22部123冊の書誌と画像を取得した。この間、EAL及び同校東アジア言語文化学科(以下EALC)のジョナサンズウィッカー氏と協議、年度内に2度の研究集会を共催することを決めた。帰国後に分担者矢島、外部若手研究者2名と計4名の調査チームを設定、9月11-19日にUCBを再訪し30部394冊の調査撮影を行った。この際、今関コレクションデータベースを用い成果の質を高めた。また9月15日、EALにズウィッカー氏とEALCの大学院生等を招き、和刻本漢籍に関するレクチュアと学術交流を行った。 帰国後それまでの調査結果をフィードバックする研究集会を計画し、前記チームに組織内外各1名の調査者を加えた6名の拡大チームを編成、2023年3月19-27日に3度目の調査を実施した。この際52部352冊を取り扱い、計104部869冊の書誌調査を完了した。この調査に合わせ米国から1名、日本から2名の外部研究者を招き、内部からブライアンスタイニンガー氏他4名が参加して、3月24日に国際研究集会 The Transformation of Sino-Japanese Culture under Modernity: Reconstructing the Imazeki Tenpo (1882-1970) Sinology Collection at the Berkeley library をUCBと共催、今関研究の意義を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症予防に伴う日本入国時の制限は、2022年になって段階的に解除され、年度前半には、先に制限を緩めていた米国との往復が行える情況となった。そこでカリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館(以下UCB, EAL)での原本書誌調査を再開、しかし安全担保の観点から、当初は研究代表者単独の渡航に止まった。その後、幸いにも情況が安定し、現地受入側の理解も得られ、年度後半には複数人員での調査が可能と判断された。そこで本研究参加者が中核となり、内外の若手研究者によびかけ、通計3度、のべ7名による同54日の共同調査を無事に行えたことは、大きな進捗であった。 第2次調査時には国際研究集会として、海外共同研究者のジョナサンズウィッカー氏と、日米の若手研究者を交え、漢籍書誌学の効用を示す講演会を行った。さらに第3次には、その参加者が核となり、日米を拠点とする当該分野の研究者7名がバークレーに集合、リモートでの報告者も加え、当地の大学教員や大学院生、司書等と、各国からのリモート参加者を集めて、40数名により、様々な角度から今関氏の業績を考える研究集会を開催した。集会では公開の研討も行われ、日本漢学の伝統と近代化によるその変質を、英語、日本語、中国語話者の間で議論し、研究の多極化を実践できたことは、重要な成果となった。この際、調査研究や会場提供に協力を得たEAL、会議運営を担当したUCB日本学研究センター(CJS)との共同により成果を挙げたことは、交流継続のための礎と言える。 しかし共同研究開始時点で300部以上あった未調査書に対し、実際に調査したのは104部であり、通計でも全1400分の1200部に止まっている情況は、十分とは言えない。また中国北京での実施を計画していた、日中、米中間の対面討議と現地踏査も、実現が難しかった。これらを総合すると、目標とする研究はなお未完成としなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究の第一の目的は、米国所在日本漢学者蒐集コレクションの、書誌学的実態解明にある。その基礎はあくまでも、原本書誌調査及び目録編集の完成にあるが、広く米国に散在している今関蔵書の場合、もとより完璧は期しがたい。しかし米国の日本学研究者、漢籍利用者、東アジア図書館関係者との交流が高まっている現在の情況を利し、さらに広がったネットワークを通じて調査を完成に近づけることが、なお必要である。そこで2023年度までの期間延長を行い、調査の伸展をさらに取り計らい、交流の焦点と定まってきた、漢学近代化資料の分析という共同研究の主柱を、より高く打ち建てたい。 具体的には、調査担当者1、2名により、のべ20日間程度、UCB及び、一部蔵書の主要な移転先と判明しているUCLAの他、シカゴ大学、セントルイス市ワシントン大学を含む、米国中西部図書館の歴訪調査を行いたい。 また、当初予定期間内に実現できなかった中国への渡航と踏査交流について、2023年当初において日本からは往復可能となっている現状に鑑み、延長期間内での実現可能性を追求したい。これらの補完的な研究活動を踏まえ、2022年度の報告、討議の内容と、その礎となった文献資料の公開普及を計らい、研究資料データベースと図書の公刊を準備したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症予防策による海外渡航制限が、2022年度も続き、米国に関しては年度前半まで、中国に関しては年度を通じて渡航が難しかった。米国については、年度後半を中心として、現地での調査研究活動を実施し、大幅に前進できたものの、2021年度までに全く渡航ができず、累積した経費をすべて使用するには至らなかった。 2023年度には、米国諸図書館での、のべ20日間の調査費用として次年度使用額をこれにあてつつ、中国での活動が開始できる場合については、のべ10日間の日程で踏査交流を行い、一部をそれに案分して使用したい。 その他に、古城坦堂『雜抄』の研究報告に関連する資料等の取得、成果公開についても、使用を予定する。
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Remarks |
上記は研究組織内限定で公開中(ID/PW:sido/sido0612)
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Research Products
(14 results)