2019 Fiscal Year Research-status Report
ソウル大学校所蔵19世紀草双紙の研究-合巻を中心にー
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19KK0009
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 悟 実践女子大学, 文学部, 教授 (50178729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 元 大妻女子大学, 文学部, 教授 (00226747)
神林 尚子 鶴見大学, 文学部, 准教授 (20759485)
松原 哲子 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (70796391)
山本 和明 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (90249433)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 合巻 / 柳亭種彦 / 山東京伝 / 曲亭馬琴 / 式亭三馬 / 歌川豊国 / 切付本 / 歌川国貞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年11月9日~11月12日、12月8日~12月10日、2020年2月23日~2月28日の三回、ソウルを訪問した。明知大学校において韓国外国語大学校などの韓国の研究者とのミーティングを実施し、ソウル大学校の合巻目録を含む草双紙の論文集を佐藤と金美眞(韓国芸術総合学校 世界民族舞踊研究所)の共編として刊行することを決定した。さらに国際交流基金との連携の下、ソウル大学校所蔵の合巻の展覧会を開催すべく準備することも決定された。そのためにはソウル大学校の研究者の参加が不可欠であり、崔京国(明知大学校)が働きかけることとなった。また11月と2月の調査ではソウル大学校の合巻の調査を韓国側の研究者と合同で実施し、数点の作品については撮影も実施した。これ以外にも高麗大学校の研究者とも友好的な関係にあり、韓国内に研究拠点を形成するということに関しては順調に進んでいるといえる。ただ【現在までの進捗状況】に記したように、新型コロナウィルスによる様々な制限の影響は大きい。 ソウル大学校蔵草双紙との対比を行うため、資料を入手した。これら日本に存在する資料、過去の調査記録、またネット上で確認できる資料によって、ソウル大学校所蔵合巻の目録をエクセルを使用して作成している。 ソウル大学校所蔵合巻の特質として山東京伝と式亭三馬、三馬門人の作品に優れたものが多く。日本国内所蔵資料との比較を開始した。 また文化14年の「合巻一件」事件の影響を受けた文政元年の合巻と、天保改革期の合巻にも多く、特に天保改革時の合巻は揺れ動く改革の影響を強く受けている好資料であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2月のソウル滞在中に新型コロナウィルスによる感染症が韓国で拡大し、ソウル大学校その他の調査を中断せざるを得なかった。三月からは、新型コロナウィルスに対する対応として、日韓双方で二週間ずつの経過観察期間が必要となり、さらに韓国入国にはビザが必要となるなど、実質的な交流が制限されている。 日本国内においても新型コロナウィルスの流行による外出自粛が求められ、研究会や会議も実施が困難となった。 ソウル大学校が出入りの業者による撮影を中止したことにより、良質の画像資料の入手が困難になっている。 日韓関係の変化に伴い、出納係が従来のような便宜を図ることができなくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス禍の終息後に日韓の研究者はお互いに往復して研究を行うことが可能になることを期待している。それまではZOOMを使用した研究会を実施する予定であるが、未だに両国の研究者とも新型コロナウィルスへの対応に追われているのが現状である。本科研の分担者ともZOOMによる研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年新型コロナウィルスの影響によって、韓国へ渡航することが不可能となり、かつ日本国内の移動にも制限がかかったため、十分な研究打ち合わせ、調査ができなかった。 新型コロナウィルスの終息後、韓国内においてソウル大学校の合巻を中心としたシンポジウムを開催し、日韓の研究者の往来を活発に行う予定である。
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Research Products
(5 results)