2019 Fiscal Year Research-status Report
Creative Writing Education, Literature and Popular Culture in Cold War East Asia
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19KK0010
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70249621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有光 道生 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 准教授 (30715024)
千葉 洋平 中京大学, 国際教養学部, 講師 (30802821)
越智 博美 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (90251727)
吉田 恭子 立命館大学, 文学部, 教授 (90338244)
Larson Michael・William 筑波大学, 人文社会系, 助教 (10840184)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 冷戦 / 文学 / 英米文学 / 東アジア / 創作教育 / 大衆文化 / 地政学 / 人種 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスの影響で2020年3月初旬に予定されていたシンポジウムやワークショップがことごとく延期になってしまったため、大幅な計画変更を余儀なくされた。吉原は冷戦期アメリカと東アジアにおけるシェイクスピアの知識人向けの側面と、大衆文化としての側面について調査を進めた。越智は冷戦期と作家について、特にロックフェラー財団が当初日本の文化政策に関与し、アメリカ文学、アメリカ研究を広めた過程をRockefeller Archive Centerでの調査を行い分析を始めた。有光は、すでに一部入手していたラルフ・エリスンとアイオワ大学の創作学科の関係を示す資料の調査を継続しつつ、第二次世界大戦後の米国における創作学科の発展と黒人研究学科の誕生の歴史について二次文献の基礎調査を行なった。吉田は国際共同研究開始のために、アイオワ大学とスタンフォード大学への出張を3月下旬から4月頭に予定していたが、COVID-19のため取りやめとなった。今年度は在外研究でオックスフォード大学に滞在しており、Paul Engleが1934-37年にオックスフォード大学ローズ奨学生として滞在していたころの資料を閲覧した。今後はCecil Day Lewisとの影響関係を中心に調査を進めたい。千葉はCOVID-19により計画していたAssociation of Writers & Writng Programへの参加を断念した。I. A. RichardsとKenneth Burkeそしてアイオワ大学のインターナショナル・ライターズ・プログラムについての論文・著書をもとにアーカイブ調査の準備を整えた。ラーソンはサンアントニオで開催された2020 AWPIに出席し、翻訳・創作教育に関するパネルに参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスのため、3月に予定していた学術イヴェント(アイオワ大学での研究打ち合わせ、アイオワ大学創作科関係者の日本招聘など)のすべてと、海外調査のほとんどを(アイオワ大学、スタンフォード大学での調査など)キャンセルせざるをえなくなったため、当初の計画より遅れている。しかしながら、2020年3月に予定していた学術イヴェントの準備を、国内外の研究者と相互に緊密な情報交換を行いつつ時間をかけて行うことができた。これは、将来へ向けての本研究の発展の基礎となり、国際的な研究者同士の信頼関係、知的インフラを作り上げるうえで、大きな成果であったと自負している。3月学術イヴェントに参加予定であった研究者たちからは、新型コロナウィルスの危機が去り次第、できるだけ早期に、さらにヴァージョンアップした学術イヴェントが計画されることを強く希望し、それが実現した場合、全面的に協力するとのことばをいただいている。移動が大きく制限されたため、研究者同士で直接顔を合わせての交流を行うことはできなかったが、インターネットなどを通じた情報や問題意識の共有を行った。一次資料・二次資料の精査・整理を行い、来年度以降にむけた行動計画とロードマップを構想した。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査と人的・知的交流の促進を大きな目的とする本研究においては、新型コロナウィルスのために国内外の移動が大きく制限される事態は、大問題をつきつけてくるものではあるが、本研究参加者のもつリソース、海外研究者との堅実なネットワーク、本年度さらに強固なものとした海外研究者との信頼関係を基盤にすれば、形式の変化は必要となるものの、本研究を大きく推進させていくことができる。本研究参加者の海外渡航の制限が比較的早期に解除された場合と、より長い期間にわたって制限が継続した場合の両方を見据えて、計画をたてる。前者の場合は、本研究参加者は長期休暇中に海外で、個別にもしくは協同作業で資料調査を行い、調査先で、当該課題に関心をもつ研究者との意見・情報交換を行う。夏もしくは2021年春に、本研究メンバー全員でアイオワ大学を訪問、情報交換、一次資料調査を行う。実際に顔を合わせての研究集会や現地に赴いての調査が困難である後者の場合、調査については、資料庫から電子化された一次資料の取り寄せを大規模かつ組織的に行う。学術集会については、オンラインの学術集会を、2021年春に開催する。オンライン集会とすることで、通常の顔を合わせての集会に比べて、遠隔地から大人数の参加が可能となり、通訳・翻訳が効率化できるなどのメリットを最大限に活かす。本研究参加者は、個別に、もしくはチームを組んで、一次資料調査・二次資料を進め、海外渡航による国際交流が可能になったとき、即座に最前線の知識をもって知的国際交流に着手できるように万全の体制でのぞむ。渡航が可能となった場合、2021年2月、フィリピンで、ロックフェラー財団の支援で整備されたフィリピン大学の英米文学関係一次資料、創作教育関係の一次資料調査を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行により、2021年2月-3月に予定していた調査旅行が実施不可能となったため。吉原、吉田、越智、ラーソンは、アイオワ大学を訪問し創作教育関係につきアイオワ側関係者と意見交換を行い、一次資料調査を行う予定であったが、中止。吉原、吉田、ラーソンは、スタンフォード大学で創作教育関係調査・関係者との情報交換を行う予定であったが中止。千葉・有光は計画していたAssociation of Writers & Writng Programへの参加を断念。 早期に海外調査が可能となった場合、夏以降に海外での調査を行う。海外での調査が年度中に再開できない場合、オンライン会議などで学術交流を行い国際共同研究を加速させ、海外貴重資料の電子媒体による収集を組織的大規模に行う。
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Research Products
(27 results)