2019 Fiscal Year Research-status Report
パプア諸語の記録言語学的研究―三地域の諸言語の直示表現を中心に―
Project/Area Number |
19KK0012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千田 俊太郎 京都大学, 文学研究科, 准教授 (90464213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 正幸 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (10299711)
稲垣 和也 南山大学, 外国語学部, 准教授 (50559648)
山本 恭裕 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (70830008)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 記録言語学 / 言語資料 / 直示表現 / アーカイブ / パプア諸語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、パプアニューギニアのシンブー州とブーゲンビル自治州を中心に分布するパプア諸語の、民話・神話・伝統知の記述・個人史等を内容とする多様な音声・映像資料を対象に、オーストラリアの記録言語学・パプア諸語の記述研究を専門とする研究者たちの協力のもと、組織的な編集作業を行い、テキストコーパスを構築すること、またそのデータ分析をもとに統語・談話レベルの文法現象の記述と対照言語学的分析を進めることにある。 今年度は代表者・分担者の多くがニコラス・シーバーガー氏指導のセミナー(Zoom)に参加し、言語データの電子化とアーカイブに関わる基礎的な技術を習得した。PARADISEC におけるアーカイブの状況を確認し、本課題でのアーカイブ手法について議論した。シンブー班、ブーゲンビル班、サンダウン班の各地域班が音声データの電子化と ELAN などによる書き起こしの作業を始めた。 シンブー班(代表者、千田俊太郎)、ブーゲンビル班(分担者、大西正幸、稲垣和也)は自身の手持ちのデータのみならず、宣教師や人類学者によって残された既存のデータの整理を行なった。対象言語の隣接地域に関する専門家との国際的な連携のため、研究交流・情報交換を開始した。 サンダウン班の山本恭裕(分担者)はアイク語の音韻論について京都、及び東京で成果の発表を行った。 シンブー班の千田俊太郎はシンブー諸語の語声調について成果の発表を行ったほか、日本語起源論におけるパプア諸語の扱いについて論考をまとめた。また、日本語動詞語幹とアクセントについての論文もまとめたが、語声調分析と通底する部分があり、本プロジェクトと一部関連する。 本プロジェクトでは、メンバーが深く関わっている言語記述研究会を活用し、メンバー以外とも研究交流を継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、研究遂行に必要な現地調査を行うことが困難になった。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は既存のデータの整理により推進できる部分がある。感染症のリスクがおさまることが確認され次第、現地調査を開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、海外での現地調査が困難になったため。
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Research Products
(6 results)