2020 Fiscal Year Research-status Report
The formation and transformation of European legal culture(s): Contextualizing normative sources from the Frankish period (5th-10th century)
Project/Area Number |
19KK0014
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
菊地 重仁 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80712562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 磨珠枝 立教大学, 文学部, 教授 (40422521)
加納 修 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90376517)
津田 拓郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70568469)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | フランク王国 / 法文化 / 写本・手稿本 / カピトゥラリア / レーゲース |
Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクトの2年目となる2020年度は、初年度が半年間のみだったため、初めて年度全体を研究に充てられる年度ではあったが、新型コロナウイルス流行に伴う社会状況の国際的な変化の影響を受け、個々人の研究・共同研究共にその遂行に工夫を余儀なくされた。プロジェクトの中心となるはずだったヨーロッパ各地での史資料調査が不可能となり、図書の相互貸借もできず、さらに海外からの書籍購入・取り寄せにも従来以上の時間・費用がかかるようになっていたため、史料のデジタルファクシミリや文献の電子書籍版を多めに導入し、史料の分析と研究動向の把握・整理を行い、プロジェクトチーム内で成果や情報の共有に努めた。 共同研究はその全てをオンラインツールを用いて行うこととなった。代表者を中心とした国内研究チーム5名は2度にわたりオンラインワークショップを行い、各自の研究の進捗状況を報告しつつ、歴史学者と美術史学者との学際的共同作業によって個々の法規範テクスト手稿本を分析する際の視角について議論した。また国外研究協力者(ドイツ、フランス、アメリカ)との2度の合同ワークショップでは、それぞれ個別の手稿本1、2点を共通論題とし、担当者による基調報告と質疑応答、議論を行った。 国外のプロジェクトメンバーは以下の通り:カール・ウーブル(ケルン大学);シュテファン・エスダース(ベルリン自由大学);ゾェーレン・カシュケ(ケルン大学);ティナ・バウデン(ベルリン自由大学);シュテフェン・パッツォルト(テュービンゲン大学);フランソワ・ブガール(CNRS・テクスト史研究所);マヤ・マスカリネク(南カリフォルニア大学);ブリッタ・ミシュケ(ケルン大学)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行が本プロジェクトにもたらした最も大きな影響は、ヨーロッパ各地の図書館等施設での手稿本調査の延期を余儀なくされたという点にある。とりわけ現物の観察が重要となる法規範テクスト集成手稿本の古書冊学的・美術史学的分析において、研究に制約を課せられている。他方、オンラインツールやデジタルデータを活用することにより、国内外のプロジェクトメンバー間での議論は順調に重ねられており、またデジタルファクシミリを活用することで、個々人の研究成果の刊行や投稿/寄稿準備も着々と進んでいる。この状況下において、という限定はつくものの、現状利用できる資源を可能な限り駆使することにより、全体として研究は概ね順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も当面は新型コロナウイルス感染症流行の影響が続き研究活動に制限が加えられるとの前提に立って研究を進める。9月と春季休暇中にそれぞれ1度ずつ国内外のプロジェクトメンバー全体でのワークショップを開催することを大枠とし、その間はオンラインツールで連絡・情報交換を行いながら個々人での研究を進める。その際、個々人が注目する個別の法規範テクスト集成の手稿本のみならず、共通論題とする手稿本に関しても、各人の関心と手法に基づいた調査分析を進める。 国内外の社会情勢を慎重に見極めた上で、可能と判断された場合は、研究代表者及び研究分担者(の一部)が春季休暇中に渡航して手稿本調査を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行の影響により渡航調査が実施できておらず、研究計画段階で支出の大部分を占める予定だった旅費が支出されていない。そのため多額が未使用となっているが、旅費の一部をデジタルファクシミリの作成・購入費に充当しつつ、社会情勢をみて渡航調査の実施可能性を見極める。場合によっては、研究計画を1年延長する可能性も念頭に置いている。
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Research Products
(11 results)