2021 Fiscal Year Research-status Report
The formation and transformation of European legal culture(s): Contextualizing normative sources from the Frankish period (5th-10th century)
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19KK0014
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
菊地 重仁 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80712562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 磨珠枝 立教大学, 文学部, 教授 (40422521)
加納 修 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90376517)
津田 拓郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70568469)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | フランク王国 / 法文化 / 写本・手稿本 / カピトゥラリア / レーゲース |
Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクト3 年目となる 2021 年度は、依然として新型コロナウイルス流行が続く社会状況の影響を受け、個々人の研究・共同研究共にその遂行に工夫を余儀なくされた。まず研究代表者及び研究分担者・研究協力者からなる国内チームについて述べる。渡航しての史資料調査は依然として難しく、また海外からの書籍購入・取り寄せにも従来以上の時間・費用がかかるようになったため、可能な場合は史料のデジタルファクシミリや文献の電子書籍版を多く導入することに努めた。これにより、史料の分析と研究動向の把握・整理・情報共有に努めつつ各自が個人研究を推進することができた。ドイツ・フランス・アメリカの国外研究協力者と共に進めている国際共同研究は、引き続きその全てをオンラインツールを用いて行うこととなった。初年度から続けている合同ワークショップを今年度も2度開催し、それぞれ複数の手稿本を共通論題とした。事前にそれぞれの手稿本をメンバー各自の視点から検討した上でワークショップに臨み、当日は担当者による報告と質疑応答、議論を行った。なお、メンバーによる研究成果の公表については別途述べる通りだが、研究代表者の菊地の著書Herrschaft, Delegation und Kommunikation in der Karolingerzeitはフランク王国の命令伝達・執行構造の中で法・規範テクスト集成の利用のあり方を考察するものでもあったため、国内外のプロジェクトメンバー間での成果の共有に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
依然として新型コロナウイルス流行が続く社会状況の影響を受け、とりわけ渡航に関する制限ゆえにヨーロッパ各地の図書館・文書館における手稿本調査が実施できていないため、確かに当初の研究計画そのままに進んでいるわけではない。しかしデジタル・ファクシミリを活用しての手稿本分析や、ウェブ会議ツールを使用しての国際ワークショップなどは実施できており、国際共同研究は順調に進行しているといえる。また国内チームの各人も個別研究の成果を公表できている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス流行をめぐる社会状況を見極めつつ長期休暇中に渡航し、手稿本調査やその他の刊行史資料の調査、海外研究協力者やその他の研究者たちとの協議の機会を持ちたい。また国内においては引き続きデジタル・ファクシミリも利用しつつ、個々の手稿本のテクストや装飾に関する分析を進め、オンラインまたは対面にて研究会を実施し、議論を深める。
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Causes of Carryover |
依然として新型コロナウイルス感染症が続く社会状況の中、昨年度に続き研究調査や協議を目的とした海外渡航や海外研究協力者の招聘を実施できず、計画申請当初の計画を完全には遂行することができなかったため次年度使用額が生じた。夏季休暇あるいは春季休暇を目処に各人渡航を実施し、予算を執行していく予定である。
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