2019 Fiscal Year Research-status Report
Problematizing Circulations.Connecting Culture, Environment and Materiality in Global History
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19KK0015
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
杉浦 未樹 法政大学, 経済学部, 教授 (30438783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 助教 (80626317)
小林 和夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (00823189)
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
守川 知子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00431297)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | グローバルヒストリー / 循環 / 環境 / 文化 / 物質文化 / 交換 / 交易 / 世界史 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、グローバルヒストリー研究では、従来、移動・伝播・交換取引と表していた知・情報・モノの移動を「循環 Circulation」に替える傾向がみられるが、本研究は、この「循環」を主にモノの世界史や環境世界史の視点から再規定し、プロセスを可視化した歴史叙述の枠組みとして構築することを目指す。 本研究では、グローバルヒストリー分野における革新的な国際共同研究方法として、国際共著論文からなる論文集を最初から目標においてチーム編成することにした。この間に具体的な共著チームを編成し、四人の研究者を軸とする共著本と、3~4つのペアによる共著論文を推進することに決めて、章立てや今後の作業を話し合い、2020年度中に章構成と概要を決定することを決めた。 あわせて情報の循環をめぐって研究分担者のリサーチペーパー発表による研究交換、基軸となる史料を話し合うためのオンライン会議を行うことも決定した。 また後進育成のための米独仏日 サマースクールについて、応募者を公募し決定した。時期は当初予定していた9月以降から2020年度冬期か2021年度へ延期になることになったため調整が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年11月から2020年3月にかけて、研究代表者がパートナー機関に滞在し、今後の共同研究内容を具体的に決定していった。第一に、日英の研究者の共著論文・共著書の刊行という実践的かつ集約的な共同研究をめざし、ペアやチームを組んでいった。それぞれの内容について、研究代表者がまず組み合わせを打診し、その後研究分担者とパートナー研究者間で協議していただき多数のミーティングを行った。その結果、日本側の領事報告を環境・文化・マテリアリティの視点から分析する共著本と、二つ以上の共著論文を2022年度から23年度に刊行することを目標として設定した。第二に、多くの研究者が参加する史料検討会として東インド会社史料の文脈検討をテーマに設定した。これを2021年1月に開催するように準備していた。 しかし2月にパートナー機関のイギリス大学においてストがあり、さらに3月からのコロナウィルスに伴う変化によって、当初2月か3月に予定していた全体ミーティングが開催できなかった。また、2021年1月に開催しようとして準備した会議についてもオンライン化を検討している。そのため、全体の計画自体はたっているものの、細部の遂行がやや遅れている状態である。 また博士課程の学生に向けたサマースクールを2020年9月にプリンストン大学で予定していた。これも公募を行い、無事に3名の学生を選考したが、9月のサマースクールは延期ないし中止となった。2021年2月~3月か、2021年9月へ延期する方針をとっている。 さらに2020年9月に予定していたユトレヒト大学でのシンポジウムも2021年3月中旬に開催する方向で再調整している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、共著本と共著論文の刊行にむけて、それぞれのチームで年度内に複数回ミーティングを行い、2020度末までに構想全体を明らかにし一部を原稿化する作業を行う。それらを全体で検討するミーティングと、より広く参加者を募って行う重要史料検討会を2021年の1月に行う予定であったが、それをどのように再調整するかが、課題となっている。しかしオンライン会議にも参加者は積極的であり、そちらの方向で検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度にロンドンの王立史料館や大英図書館において資料取得を遂行し翻訳作業を依頼するほか、南アフリカのステレンボッシュ大学とオランダ・ロッテルダムのエラスムス大学に行き共同研究を行う予定であったが、資料取得がままならず翻訳作業を次年度に延期し、また、オランダや南アフリカでの調査も次年度に延期した。 また、全体のキックスタート研究会も行う予定であったパートナー機関におけるスト決行および新型コロナウィルスに対する対処で次年度に延期したため、その分の会議費などの経費も使用しなかった。
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Research Products
(2 results)