2020 Fiscal Year Research-status Report
Joint International Research of the Issue of Diversities and French Republic Form of Government from the Viewpoints of Subsumption, Graft and Separation in Western Islands of the Indian Ocean
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19KK0021
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
深澤 秀夫 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (10183922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 秀樹 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (20322026)
花渕 馨也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50323910)
中村 千尋 (渡辺千尋) 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (50737476)
森山 工 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70264926)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | インド洋西域島嶼 / フランス共和制 / 多元性問題 / コミュノタリスム論 / ライシテ論 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の深澤は、文献資料調査に基づいて、マダガスカルにおけるイメリナ王国期からフランス植民地期における法制史の変遷過程の研究を進めた。その結果、イメリナ王国が存在した中央高地一帯の離婚慣行が、現地民司法制度の確立に伴い、その他の地方においても施行されるようになった事の可能性を明らかにすると共に、現地民司法制度の実務提要を整備したと目されるフランス人法務官の法思想とマダガスカルの在来法制度との関係を文献資料に基づいて検証した。また、現在の<民衆裁判>と呼ばれる犯罪被疑者に対する地域住民による暴力的制裁措置は、19世紀以降にイメリナ王国もしくはフランス総督府によって進められた行政村落制度における連帯責任と自治慣行に由来する可能性が高い事を論じた。 研究分担者の花渕は、文献資料およびインターネット資料に基づいて、コモロの植民地期から独立以降の歴史について、フランス共和制との関連において捉え直す作業を行った。これまでに収集した資料に基づき、コモロ社会に大きな影響力を持つフランスのコモロ人ディアスポラによるアソシアシオン活動の研究を進め、その活動の一つである世界遺産登録運動を推進するアソシアシオンに関し、国際学会で発表を行った。 研究分担者の長谷川は、2018年に実施したモーリシャス・セーシェル・コモロにおける臨地調査資料に基づき、当該地域における言語政策についての論文を執筆した。また、2019年度に訪問したリヨン大学フランコフォニー研究所で収集した文献・論文資料を読解し、インド洋西域島嶼社会におけるエスニシティと文化変容についての論文執筆の準備を進めた。 研究分担者の中村は、文献資料に基づいて、戦間期のフランス本土とインド洋島嶼域を含めた労働力徴募に関する研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、フランス・マダガスカル・レユニオン・マヨット・コモロの本研究における調査対象域の全てにおいて、コロナウィルス感染のため現地渡航及び滞在ができなかった結果、現地における聞き取りを主たる調査資料とする本研究の遂行に大きな支障が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、フランス・マダガスカル・レユニオン・マヨット・コモロにおける現地聞き取り調査を中心に、「フランス共和制における多元性問題」と言う本研究の主題を探求する。 2021年度も引き続きコロナウィルス感染により現地調査が難しい状況となった場合には、インターネット資料や文献資料に基づいて、できる限り本研究主題の探求を継続する。
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Causes of Carryover |
本研究が臨地調査を実施するフランス・レユニオン・マヨット・マダガスカル・コモロの全地域においてコロナウィルス感染が広がったため、研究分担者全員が海外渡航する事ができなかった。その結果、海外渡航・滞在費に支出の多くを計上している本研究予算に、多額の未執行が生じた。 これまでの研究費の未執行分については2021年度以降に繰り越し、海外渡航・滞在費としてその大半を執行する予定でいる。とりわけ、宿泊費の高いパリ等において海外調査を行うに際しては、繰り越された予算は長期滞在を可能とする貴重な原資となる。
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Research Products
(6 results)