2022 Fiscal Year Research-status Report
Competition and Possibilities for Cooperation Between Japan and China Over "One Belt" (Maritime Silk Road)
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19KK0038
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大門 毅 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80329333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦田 秀次郎 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 名誉教授 (10185085) [Withdrawn]
舒 旻 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (20534986)
Mao Caixia 公益財団法人地球環境戦略研究機関, その他部局等, リサーチャー (30813761) [Withdrawn]
野田 真里 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (90334995)
北野 尚宏 早稲田大学, 理工学術院, 教授(任期付) (20378524)
長辻 貴之 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (20906135)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 一帯一路構想、海のシルクロード / 援助競争と協調 / 援助の相互補完性 / 日中印関係 / 援助の戦略的有効性 / 東ティモール / フランス語圏アフリカ / 互恵的競争関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国側の研究者は北京大学(Peking University)の南南協力・発展学院(Developmnet Studies Graduate School)の査教授を中心として、精華大学(Tsinghua University)、外交学院(China Foreign Affairs University)の研究機関・研究者のネットワークを構築し、学術交流を継続してきた。特に2022年8月にベルギーで開催した日中合同開催国際会議(ブリュッセル自由大学で開催)には、ベルギー、フランスの研究者、さらにはアメリカ(コロンビア大学)のパネリスト、セネガル(アフリカ)のパネリストを加え、学術ネットワークがグローバル化した。ブリュッセル会議には、日本から本学の他に、一橋大学、成蹊大学からの仏語話者も加え、英仏語セッションを開催した。 現地調査としては、2022年5月には東ティモール大統領の招待により、特別機で現地調査を行い、同国大統領・閣僚との政策対談を行ったほか、中国の投資によるディリ港事業を実査し、中国側関係者からヒアリングを行い「日中援助の相互補完性」仮説を導いた。中国の援助・投資が顕著な拡大をしているアフリカも含め、研究対象のグローバル化を図り、モーリタニア、セネガル、ガンビア、モロッコの現地調査(2022年8月)の実現につながった。アフリカにおける中国援助を実査し中国側と視点を共有したのである。 中国側若手研究者は上海の研究機関(復旦大学等)に2022年後半に長期滞在し、研究交流を進めた。また、台湾(台中)にある、逢甲大学(Fen Cia University)の劉教授を中心とする研究チームとの意見交換を行うことにより、日中学術交流を多階層に発展させた。学術交流はインドの中国研究者(Prof Panda)に拡大し、本研究は日中印を含む学術交流へと進化・発展する可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度は一般渡航が厳しく制限されている東ティモールから大統領の就任式・独立20周年式典に招待されるという良い意味で予期せぬ研究機会を得ることができ、大統領はじめ経済閣僚や実務家と日中の援助競争・協力という本研究のテーマを議論し、また中国側関係者(外交・実務)と現地での政策対話につながった。就任式には、中国、インドネシア、米国、オーストラリア、ポルトガルを含め東ティモールと歴史的につながりの深い国々からの代表も派遣され、これら諸国の外務大臣ないしは大臣級の閣僚との政策対話につながり、本調査のテーマを深掘りすることに貢献した。これらの研究成果は、同年8月に実施した日中共同国際会議(ブリュッセル会合)の成功にも結び付いた。出張時にはタブレット式PCを持参し、調査結果は遅滞なく英文による学術誌への投稿・出版する。このように本研究が当初意図した以上に進展しているのは、東ティモール、ベルギーの現地調査や会議に対して、本件科研費と本件実施大学(早稲田大学)からの補完的な支援(海外出張への助成)が功を奏した結果とみなすことができる。さらには、日中印を含めた三角協力(WinWinWin戦略)を視野に、日中の研究機関に加えて新たに知の巨人(アマルティア・セン教授など)を多く輩出したインドの研究者・研究機関を巻き込むことに成功したからである。2023年度は本研究の完成年度であるが、インドを新たなパートナーとすべく、学術交流のネットワークをさらに広げるだけでなく、深めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本研究の完成年度にあたり、ラオスを現地調査の候補として2023年7月には日中合同チームで現地調査を実施する予定。ラオスでは中国との国境付近にある経済特区を訪問し、経済特区への中国ないし日本の投資・援助を調査するとともに、中国輸銀が融資したインフラ事業(中国・ラオス高速鉄道)を訪問したり一部区間に乗車することで、援助・投資の相互補完性仮説や互恵的競争仮説を中国側研究者と検証していく計画であり、中国側の了承を得ている。研究成果は日本及び中国側、場合によっては第三国(例えばインド)において発表することとし、成果物を出版の形で結実していきたい。研究の方向性としては、日中を主軸としつつも、インドの研究機関を関与させること、すなわち、この研究を通じて構築した日中の学術交流を維持しつつ、さらに日印の学術交流を進めることで多角的な学術交流を実現したい。その準備として、研究代表者が2010年に国際交流基金の助成で半年間派遣されたデリー大学やネルー大学(デリー)、さらにはJICA(国際協力機構)の助成を受け実現した南インド(タミールナドゥ)の社会企業(ソーシャルビジネス)とのつながりなど民間を含めたネットワークの進化発展を目指し、2023年度後半以降にその準備にとりかかりたい。すでにインド側研究者とは対話を開始している。本研究がきっかけとなり、開発援助や投資という非政治的な分野での協力関係は、インドを巻き込んだ新たなフェーズに発展する可能性を秘めており、その可能性をできるだけ模索していきたい。
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Causes of Carryover |
東ティモール、ベルギー、ないしアフリカ調査の一部については、他機関(本学を含む)助成金もあり、資金余剰が生じた。2023年度については、インド研究機関(デリー大学、ネルー大学など)との研究交流、ラオスにおける日中合同調査を予定している。過年度までの未使用残については、これらの共同調査実施に充当する計画である。
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Research Products
(13 results)