2023 Fiscal Year Research-status Report
Cost-effective measures for improvements in Health Management Information System (HMIS): Trans-disciplinary social experiments in Nepal
Project/Area Number |
19KK0044
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金子 慎治 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (00346529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 高弘 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20547054)
佐藤 美穂 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 助教 (40607256)
小松 悟 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (80553560)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
|
Keywords | EBPM / FCHV / 保健医療 / 母子保健 / ネパール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、最貧国における医療保健・公衆衛生・環境政策の拠に基づく政策立案(EBPM: Evidence-Based Policy Making)に資するミクロデータ整備の改善方策を提案することが目的である。 2023年度は新型コロナウイルス感染症の終息に伴い、4年ぶりに農村保健医療に関わる医療機関や政府機関、また国際NGOに対する調査を実施した。具体的にはネパール西部Karnali ProvinceのSurkhet Districtを対象に、女性村落保健ボランティア(Female Community Health Volunteers: FCHV)とそのボランティアによるサービスを受ける住民に対して予備調査を実施した。現在及び過去のFCHVに対して居住地域、活動地域、活動時期を確認するとともに、予防接種や母子健康状態把握といった母子保健サービスの提供実態を、質問表及びインタビュー調査で明らかにした。更に質的調査法の一つであるフォーカス・グループ・ディスカッションを通じて、ボランティア活動の変遷やトレーニングの頻度や内容について把握した。母子保健以外の業務についても認識し、FCHVが抱える業務の多様性が明らかとなった。またFCHVが活動する地域の住民200世帯に質問票調査を実施し、妊娠や出産に至るまでの母子健康状態、現在の子供の健康状況の計測を実施した。同時にネパール・カトマンズで母子保健に関わる国際NGOに対する聞き取り調査も実施している。 調査ではODK(Open Data Kit)と呼ばれる調査用アプリを活用することで誤記入を防ぎ、質の高いデータが取得できるよう目指した。ODKが円滑に利用できるよう調査員トレーニングを実施することで、2024年度の調査基盤を整備した、更に2024年度の本調査に向けて、質問票の改訂とカウンターパートとの実務的調整業務を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大にあってネパールへの渡航ができない時期が3年間続いたため。また研究対象となるネパールの医療保健に関わる医療機関や政府機関、大学がいずれも大きく混乱したため。共同研究者も当初合意していた共同研究活動に対応できない時期が続いたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は広島大学で博士をとった国費留学生を現地協力者と位置付けて、各種コーディネート且つ迅速に本調査ができる体制を構築する。そのうえで、ネパール西部を対象に大規模調査を2024年春季に実行し、FCHVの活動、家計に対する大規模調査を実施し、迅速にデータ分析し、論文発表することを目指す。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、渡航及び現地調査ができなかったため。繰越額は現地協力者謝金、本調査実施経費、ネパール渡航経費に充てることを計画している。
|