2020 Fiscal Year Research-status Report
Interdisciplinary studies for total landscape and ecological education biased on nature experience
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19KK0053
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊東 啓太郎 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10315161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 朋美 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (60847797)
山本 有恵 京都精華大学, その他の部局, 講師 (00827503)
鎌田 磨人 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (40304547)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | ランドスケープデザイン / 生態系サービス / 環境学習 / 自然再生 / 風土 / グリーンインフラ / 子どもの遊び / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもにとって、自然の中での「遊び」や「学び」は、心身の発達の上で重要な役割を持っており、自然環境が人間に供給する重要な生態系サービスとして健全に機能することが求められる。本研究では、日本人研究チームがノルウェー及び米国に出向き、ノルウェー、米国研究者とともに、身近な自然環境を保全・活用するランドスケープの設計・マネジメントについて議論し具体的な空間提案を行うことを目的としている。実際の計画・設計プロセスとノルウェー・米国・日本の比較研究を通して、地域の自然環境の保全・再生を行いながら「子どもの遊び」、「環境学習」の場として活用できるような新しいランドスケープデザインの手法とその国の風土に適した環境学習プログラムを開発することを目的として研究を進めている。 2020年度は、研究代表者の伊東は1年間フロリダ大学に滞在し、フルブライト研究員として、アメリカのゲインズビルにて、身近な緑地、グリーンインフラの設計・活用手法についての研究をフロリダ大学のHostetler教授と共同で進めた。同時に、具体的な空間提案を行うためにゲインズビルにおいて現地調査を行った。 また、実際の計画・設計プロセスとノルウェー・米国・日本の比較研究を通して、地域の自然環境の保全・再生を行いながら「子どもの遊び」、「環境学習」の場として活用できるような新しいランドスケープデザインの手法とその国の風土に適した環境学習プログラムを開発することを目的として研究を行う。当該年度11月に計画されていた研究チームでの合同調査とワークショップは、コロナ禍のため、次年度以降に延期となった。2021年度、延期された合同調査とワークショップをアメリカ、ノルウェーにて行いたいと考えているが、現時点で、ワクチンや対策が未確定であり、実施できるかは不明である。このため、研究期間の延長を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、研究代表者の伊東は1年間フロリダ大学に滞在し、フルブライト研究員として、アメリカのゲインズビルにて、身近な緑地、グリーンインフラの設計・活用手法についての研究をフロリダ大学のHostetler教授と共同で進めた。同時に、具体的な空間提案を行うためにゲインズビルにおいて現地調査を行った。 一方、コロナパンデミックの影響により、2020年度は、研究チームで予定していた現地調査ができなかった。2021年度、実施計画を進めているが、現時点では、ワクチン接種の進捗が、現地にいけるかどうか未定の状況である。世界の動向を見極めながら進めていく。また、研究メンバー、研究協力課と相談し、研究期間を最終年度に1年延期する方向で、合意がなされている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の伊東は、2020年度フロリダ大学におけるグリーンインフラの研究成果を学会誌に投稿するとともに、継続してフロリダ大学Hostetler教授、ノルウェーHSNのFjortoft教授との共著の執筆を進める。また、国内では、鎌田教授とは生態学的視点から見たグリーンインフラ設計、須藤助教とはグリーンインフラの子ども環境としての活用手法に関する共同研究発表を継続する。山本講師とは、研究計画時には想定していなかったコロナ禍の中での都市緑地の活用についての検討を加え、心理学的観点からその有効性を深めてゆき、グリーンインフラの持つ重要な機能についての知見と議論を深めてゆく。 Fjortoftら(2004) は、地域のオープン・スペースを子どもの遊び場・環境教育の場として位置づけ、その重要性について議論している。日本でも環境面での教育が必要であることが認知されており、地域の人材や市民団体と連携した日本型環境教育のあり方が求められている。例えばノルウェーでは、「自然享受権」が法律で定められており、このことがランドスケープの活用にプラスの影響を与えていると考えられる。 本研究では、実際の計画・設計プロセスと子どものアクティヴィティ、ノルウェー、アメリカ、日本との比較研究を通して、地域の自然環境の保全・再生を行いながら「子どもの遊び」、「環境学習」の場として活用できるような新しいランドスケープデザインの手法の検証とその国の風土に適した継続的な環境学習プログラムを開発・確立することを目的として研究を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、研究チームでのアメリカ、ノルウェーにおける現地調査が実施できていないため。
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Research Products
(5 results)