2022 Fiscal Year Research-status Report
Dialogue among East and West Asia for Reconstruction Pedagogy through Lesson Study
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19KK0058
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
サルカルアラニ モハメドレザ 名古屋大学, アジア共創教育研究機構(教育), 教授 (30535696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 將暢 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (20536487)
久野 弘幸 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (30325302)
坂本 篤史 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (30632137)
柴田 好章 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (70293272)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | レッスンスタディ / 教育実践学 / 東アジアと西アジア / 比較授業分析 / グローバルな知見の創出 / ローカルな知見の交流 / 日本型授業研究・授業分析 / Craft pedagogy |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本型授業研究を導入した東アジアと西アジアの対話を通して現代社会における授業実践の質向上の様相とその機能を解明し、国境を超えた 「教育実践学」を構築することである。そのために、本研究の研究課題3「アクロス・カルチャーズ・レンズを通した「教える」と「学ぶ」という概念と論理の分析」として、2022年度においては、日本と海外を対象にしたフィールドワーク・調査組織・プロジェクトチームを発足させ、学校現場の教員や研究協力者との対面(日本)や対面とオンライン会議・研究会等(マレーシア・ベトナム・セネガル・ドイツ・イラン)などを開催した。 また、(Codeswitching in the classroomという授業実践の状況で解釈共同体の可能性と課題)を解明した。具体的には、日本の授業記録を分析対象として、その記録が含み込む日本の社会的背景が埋め込まれている授業記録をテキスト解釈(教材・内容・評価・教師観など) によって検討すると海外からもたらされた授業記録へのコメントを結びつけ、異なる文化の「レンズ」や「multilanguage」から見ることを軸にした日本型授業実践学の学術的意義も明らかにした(例:Sarkar Arani et al., (2023). From “content” to “competence”: A cross-cultural analysis of pedagogical praxis in a Chinese science lesson. Prospects Journal)。分析結果としては、少なくとも4つの基本要素(ディダクティクス、プラクシス、ペダゴジー、理論)を通して、教師が自分のレンズを変え、自分の授業を振り返り、教師の専門性に関する理解を再構築することをいかに学ぶかを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響はあったが、海外を対象にしたフィールドワーク・プロジェクトチームを発足させることができた。具体的には、日本国内および海外(特にイラン・マレーシア・ベトナム)の学校を訪問し、実際の授業を観察するとともに授業研究データを収集した。ドイツとセネガルにおいて「国境を超えた日本型授業研究の効果」について対面形式によるワークショップを実施し、各国の教育研究者との交流のなかで新たな知見を得ることができた。対面による研究活動だけは不十分なので、上記に加え、オンラインによる授業検討会や、授業者へのインタビュー等を月1回以上の頻度で実施し、得られたデータ(特に授業観察を通した授業記録・授業検討会における参加者の発言記録等)をもとに比較授業分析を実施した。 並行して、これらの研究成果のとりまとめを行っている。すでに国際学会誌に研究論文を1本投稿して審査中であるほか、他の国際学会誌や国内学会誌への論文投稿の準備、国際学会・国内学会での発表準備が進んで入る。研究全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
「改善の科学」としてのレッスン・スタディ教育実践学の再評価・構築という研究課題(課題5)を明らかにするために、①海外(イラン・トルコ、ドイツ等)のレッスン・スタディの実施、②両国の授業実践の文化の特徴の検討・解明と③「改善の科学」としてのレッスン・スタディに基づく教育実践学の考察・再評価する予定である。 今後は、授業記録を基づいて比較授業分析の共同研究会(解釈共同体)、およびその成果を踏まえた比較分析セミナーなどを行う予定である。こうしたアジア地域のフィールド調査、検討・分析会の成果を基に、レッスン・スタディを通した授業実践の質向上の複合的構造や授業実践学の基礎理論・授業実践の文化的基底とその質向上の様相ならびにその機能を解明する。さらに、アジア地域以外の諸国との知見の交流により、新たな研究方法論(特に、国際比較授業分析)を応用しながら国境を超えた「教育実践学」や「改善の科学」としてのレッスン・スタディ教育実践学の再評価を構築する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、これまでの2年間、コロナ禍の影響により、海外への渡航が計画通りに進まなかったためである。しかし、最近になってコロナ対策の方針が変更され、国内・海外旅行が以前のように出来る状況になった。これからは、国内・海外での研究データの収集(特に学校現場の授業記録・現地の学校教員や教育研究者との授業検討会の記録等)を積極的に進めるために、旅費を計画的に執行していく予定である。本研究の推進のためには、個人情報を保護するための倫理的な配慮、現地の状況に合わせた研究手法の開発は重要であり、現地に足を運んでのフィールドワークが欠かせない。同時に、世界各地で得られた研究データの翻訳謝金・データ整理のための謝金、各地域における通訳者・助言者に対する謝金の支払いも多くなると見積もっている。 比較授業分析を継続・発展させ、東と西アジアの対話を通して、国境を越えた教育実践学の構築に関する研究を進め、そこで得られたローカルとグローバルの理論的知見を国際的・学際的に整理しつつ、研究成果のまとめを継続し、国内(カリキュラム学会等)国際学会(WALS等)において研究成果を発表する予定である。
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Research Products
(14 results)