2021 Fiscal Year Research-status Report
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19KK0066
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福泉 麗佳 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (00374182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 壮登 九州大学, 数理学研究院, 助教 (20823206)
前田 昌也 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (40615001)
小林 未知数 高知工科大学, 環境理工学群, 准教授 (50433313)
戍亥 隆恭 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (70814648)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 量子流体 / ゆらき・ノイズ / 量子渦 / ボース・アインシュタイン凝縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度, まず, 分担者である前田は,非線形シュレディンガー方程式の小さな解の長時間挙動を"Refined profile"という新しい道具を使うことによって解析することに成功した. 福泉・星野・戌亥は, 本研究課題に深く関連する非線形確率消散型波動方程式の非相対論的・超相対論的極限について考え, 空間2次元の場合に繰り込み法を用いて極限の正当化に成功した.この極限の正当化は, 分担者・小林の物理での論文(2016年に出版)の厳密証明に相当する. 結果は既に論文としてまとめてあり, 受理され, 2022年4月現在出版予定となっている.分担者・戌亥は, この他にも消散型非線形波動方程式の解の一意性、分散型方程式や時間依存する消散項つき非線形波動方程式の解の大域挙動の解析などを行った. 福泉は, 確率Gross-Pitaevskii方程式の空間2次元での解の大域存在の証明を完成し Gibbs 測度の構成も行った. こちらも2022年4月現在出版予定の論文となっている. 分担者・小林は, 物理的観点から, 太陽質量程度、半径数10kmほどの天体である中性子星において実現されると理論的に予想されている中性子超流動および、量子渦の性質を調べた. 中性子超流動は地球上で実現される超流動ヘリウムとは内部自由度が異なる新奇な超流動が実現されること, その内部自由度を強く反映した, 非等方的な渦芯構造を持つことを, 中性子星超流動に対するGinzburg-Landau方程式の数値解析から明らかにすることに成功した. 分担者・星野は特異確率偏微分方程式論の手法を深め, Regularity structureとparacontrolled calculusの同値性についての論文(Bailleul氏との共著)が出版した.指数型非線形項をもつ確率偏微分方程式についての論文も発表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出張して議論できない分, 少しずつであるがメールでのやりとりやZoomなどを用いて研究をすすめているが, 当初の研究計画どおりではないことは否めない. 対面で共同研究を行えた方がさらに要領よく研究成果もより良いものが出せると思われる. 提出した研究計画では, 日本側の研究者がフランスに赴いて共同研究を行う予定であった.コロナウイルス感染が終息し二国間の旅行がいつ可能になるかも不確かであり, 非常に難しい状況にある. 通常の繰越だけでなく, 本研究種目の趣旨とそれを実行できなかったコロナ禍の影響を鑑みて研究期間の延長の考慮をお願いしたい.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が収まった折には、日本側の研究者はそれぞれの専門分野とそれに合った分担計画に従って, 相手先の研究機関滞在を1年に2回程度行う. 1回につき2週間以上程度の滞在を予定している.前田・福泉はNソリトンの挙動がノイズによりどのように影響されるかという研究に従事, de Bouard と福泉はさらに確率効果を考慮したモデルの渦の挙動について調べる. 一方で統計力学的視点から量子流体 Langevin モデルの平衡状態の解析を de Bouard, Debussche, 福泉が担当する. 統計力学的平衡状態が Gaussian field に関して特異となるであろう予想を正当化する. 星野・福泉・Thomannは fluctuation-issipation 定理の証明を繰り込み法を用いて目指す. 量子流体と古典流体の類似性を確信するために, 小林・Danaila は数値シミュレーションを稼働する.(同時に数値スキームの開発も行うことが必要である.) 量子流体のダイナミクスを記述する非線形 Schroediner 方程式の数値解析に対して有限要素法を用いる事例・および重要性が示唆されている.本研究では FreeFem++という有限要素法を用いて偏微分方程式を並列アルゴリズムを組み込みながら解くための, Danaila が作成したオープンソースを使用する.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行で国外出張が出来ないため, 研究費が使用できないでいるため.
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Research Products
(35 results)