2020 Fiscal Year Research-status Report
Intermittency due to hetero-chaotic property and its inference
Project/Area Number |
19KK0067
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
齊木 吉隆 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20433740)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 博樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00467440)
小林 幹 立正大学, 経済学部, 准教授 (10547011)
犬伏 正信 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (20821698)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
|
Keywords | ヘテロカオス / 力学系 / 周期軌道 / リザーバーコンピューティング / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘテロカオスとは,稠密軌道をもつひとつのカオス的不変集合に不安定次元の異なる周期点がそれぞれ稠密に存在する力学系ならびにそのカオス的不変集合をさす.本研究課題は,ヘテロカオス性に由来する間欠性に着目し,機械学習も援用して予測に繋げることを目指している.本年度は,研究代表者の齊木吉隆(一橋大学),研究分担者である高橋博樹(慶應義塾大学),相手国共同研究者であるJames A. Yorke氏(メリーランド大学)の三名で共同研究を実施して,ある具体的な力学系がヘテロカオス性をもつこと,更に,エルゴード的であることを示したこれまでに得た結果をまとめた論文の改訂をおこなった.また,その力学系を少し修正して更に滑らかさを与えた3次元ヘテロカオス写像の安定多様体と不安定多様体の交わりを考察して,そのハウスドルフ次元を見積もった.また,その次元が十分大きいことによって,その写像のヘテロカオス性が摂動に対して頑強であることが確認できた. 一方,ヘテロカオスをもつことが数値計算で示唆されている微分方程式の解軌道を訓練時系列データとしてリザーバーコンピューティングを適用したデータ駆動力学系モデリングに着手した.また,上記のヘテロカオスのデータ駆動力学系モデリングとの対比を考察するために研究分担者である小林幹(立正大学)らと共に,双曲力学系や非双曲的力学系のうち安定多様体と不安定多様体の接構造が存在する力学系に対してデータ軌道力学系モデリングを実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症によってメリーランド大学への出張が行えなかったため対面による研究アイディアの交換などは不十分であったものの,代わりにオンラインミーティングを重ねることで二つの研究,不安定次元の異なる周期点が稠密に存在する非常にシンプルなヘテロカオス写像に関する論文の改訂ならびにあるヘテロカオス写像の安定多様体と不安定多様体の交差の次元に関する論文執筆が進んだ.また他のいくつかの研究にも着手した.
|
Strategy for Future Research Activity |
間欠性をもつヘテロカオス写像の研究を推し進めて、ヘテロカオス性が間欠性に及ぼす影響を考察する.また,ヘテロカオス性をもつダイナミクスの機械学習研究を推進する.コロナ感染症が収まり,相手国研究者と安全な対面打合せが可能になり次第,対面による研究アイディア交換に着手する.
|
Causes of Carryover |
コロナ感染症により相手国研究者との対面による研究打合せが実施出来なかったことによる.コロナ感染症がおさまり,安全に相手国研究者との対面による研究打合せが実施できる状況になり次第,出張をおこなう.それまでは,オンライン会議のための物品,環境等を整えてオンラインによって相手国研究者との共同研究を実施する.
|