2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of magnetic structures for lanthanoid ferromagnetic elements under high pressure
Project/Area Number |
19KK0070
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
美藤 正樹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60315108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片宗 優貴 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50772662)
高阪 勇輔 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (60406832)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 高圧力下中性子回折 / 高圧力下磁気測定 / ランタノイド系単一元素強磁性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、最終年度にしてようやくHoの高圧力下中性子回折の成果を論文として公表することに成功した。これはこれまでの先行研究で示唆されていた8 GPa付近での磁気秩序が実は存在せず、我々の高精度磁気測定の結果が示唆していたことの方が正しいことを証明することになり、本課題研究の意義を大きくアピールするものとなった【Sci. Rep.で公表、九工大のホームページでも公表】。 次に、ILLでHoと同時期に高圧力下中性子回折を行ったTbにおいて、低温高圧下での磁気構造解析が難航していた。過去の先行研究における結晶構造解析の結果を参考にしていては、磁気構造解析の精度が向上しなかったことから、SPring-8にて低温高圧力下X線構造解析実験を行った。この結果を踏まえてTbの磁気構造解析を進めている。 ErとTmの高圧力下中性子回折をILLで行うために、30 GPaまでの圧力領域で交流磁化測定を行った。ErはTbと同様の圧力応答を示し、TmはHoと同様の圧力応答を示すことを実験的に示し、Gd-Tmの6元素を3つのグループに分類できることを証明した【Phys. Rev. Bで公表】。そして、Hoと同様の圧力応答を示すTmに対し、ILLで低温高圧力下中性子回折を行った。 Gdについては、初年度に中性性吸収が小さい160Gdを入手し、翌年度ILLでの高圧力下中性子回折に挑戦していた。しかし、Gd本来の高い中性子吸収係数のために実験に失敗していた。しかし、ホット中性子を利用した試行実験で回折実験に成功したため、念願のExtreme-Dのビームラインを用いて高圧力下中性子回折を実施する準備を整える段階にまで到達した。2024年6月に本研究課題で最も優先度の高い実験を遂行することができる状態に到達することができた。
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