2023 Fiscal Year Annual Research Report
量子ビーム相関解析法による生体高分子構造・ダイナミクスの探求
Project/Area Number |
19KK0071
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 倫太郎 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (80563840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 正明 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (10253395)
守島 健 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (40812087)
奥田 綾 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (80825646)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 中性子散乱 / 重水素化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度であった2023年度はCOVID19が二類から五類感染症へと移行したことにより、滞在先の研究者のPorcar博士とMartel博士との相談の上、五月初旬から六月中旬までの一か月程若手研究者二名をラウエ・ランジュバン研究所(ILL)へ滞在を行った。滞在時には、二つの研究テーマを行った。一つ目の研究テーマとして、KaiA, KaiB, KaiCから構成される時計タンパク質複合体同士のKaiAのサブユニット交換をILLの小角中性子散乱装置D22に設置されているSAXS/SANS同時測定により追跡を行った。事前に行った超遠心分析測定からはサブユニット交換の存在が確認されたものの、SAXS/SANS同時測定からはKaiAのサブユニット交換を実測することが出来なかった。この結果から、KaiAのサブユニット交換は非常に速い時定数を有することが強く示唆された。二つの研究テーマとして、四つのドメイン(a,b,b',a')から構成されるER-60の特に酸化的フォールディングに強く関与するa,a'のみの選択的計測をセグメント重水素ER-60を用いて行った。なお、セグメント重水素ER-60はドメインライゲーション技術と重水素化技術の併用により作成した。セグメント重水素ER-60、通常のER-60と比較して構造的に不安定であるため凝集物や分解物が溶液中に共存する。それらの影響を除去するために、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)SANS(SEC-SANS)測定を行った。その結果、世界で初めて凝集物や分解物の寄与の無いER-60のa,a'のみの選択的計測に成功した。得られた散乱曲線は分子動力学シミュレーション等を用いて解析を進めている。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Dynamics of multi-domain protein2023
Author(s)
3.R. Inoue, T. Oda, K. Morishima, T. Tominaga, H. Nakagawa, N. Aizawa, Y. Kawakita, M. Sato, M. Sugiyama
Organizer
8th International Symposium of Quantum Beam Science (ISQBS2023)
Int'l Joint Research / Invited
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