2019 Fiscal Year Research-status Report
Studies of magmas under pressure by using high-pressure X-ray tomography
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19KK0093
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
河野 義生 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (20452683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 秀治 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特別研究員 (50505394)
近藤 望 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特定研究員 (70824275)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | メルト / 高圧 / 弾性波速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(1)高圧下におけるメルト・ガラスの密度変化と圧縮曲線、(2)高圧下における岩石中のメルトの3次元分布構造の変化とそれに伴う弾性波速度変化、を研究することを目的とし、アメリカの放射光X線施設APSのビームライン13BMDの責任研究者Yanbin Wang博士と、高圧下におけるX線トモグラフィー測定についての国際共同研究を推進している。 2019年10月に交付内定を受けた後、2019年度は主にAPSの13BMDにおける実験のための準備を行った。パリ-エジンバラセルを用いた高圧X線トモグラフィー測定のための実験準備に加えて、APSの2020-1期(2020年2-4月)におけるビームタイムの申請を行い、13BMDにおける実験のためのビームタイムが採択された。それにより、2020年3月27日からアメリカ・シカゴ郊外に位置するAPSを訪問し、Yanbin Wang博士と13BMDにおいて高圧X線トモグラフィー実験についての共同研究を行うことを計画していた。しかしながら、新型コロナウィルスの影響により3月27日からの渡米が不可能となり、そのビームタイムスケジュールは延期となった。一方、採択されたビームタイムは有効であり、2020年10-12月におけるAPS訪問をYanbin Wang博士と現在計画している。 一方、目的(2)のために、日本の放射光X施設SPring-8において、Fe-Sメルトを含むかんらん岩の弾性波速度測定を行った。その結果、Fe-Sメルトの影響によるかんらん岩の弾性波速度低下を測定することに成功した。この実験後の回収試料について、2020年10-12月に予定しているAPS訪問時にX線トモグラフィー測定を行い、試料中のメルトの分布構造の分析を行う予定である。そして、岩石中のメルトの分布構造と弾性波速度低下の関係を議論することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、10月に交付内定された後の短い期間において、アメリカの放射光X線施設APSの13BMDにおけるYanbin Wang博士との共同研究実験を行うための実験準備だけでなく、APSのビームタイム申請を行い、高圧X線トモグラフィー実験のためのビームタイムが採択された。新型コロナウィルスの影響により、3月に計画していた渡米は延期となったが、採択されたビームタイムは有効であり、2020年度の10-12月期に渡米し、APSでYanbin Wang博士と共同研究実験を行うことを現在計画している。また、本研究目的の一つである(2)高圧下における岩石中のメルトの3次元分布構造の変化とそれに伴う弾性波速度変化の研究については、Fe-Sメルトを含むかんらん岩の弾性波速度測定をSPring-8において行い、Fe-Sメルトの影響によるかんらん岩の弾性波速度低下を実験的に決定することに成功した。2020年10-12月に予定しているAPS訪問時に、この実験後の回収試料についてX線トモグラフィー測定を行うことにより岩石中のメルトの分布構造を明らかにし、メルトの分布構造と弾性波速度低下の関係が議論できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響により延期となったビームタイムについて、2020年10-12月におけるAPSの2020-3期でのビームタイム配分を依頼しており、10-12月に渡米し、APSでYanbin Wang博士と共同研究実験を行うことを計画している。また、Yanbin Wang博士との共同研究によりすでに得られている(Mg,Fe)SiO3ガラスの高圧X線トモグラフィー測定データについて解析を進める。まずは高圧X線トモグラフィー測定データからの密度解析手法の確立を行い、その後、高圧下における(Mg,Fe)SiO3ガラスの密度変化を解析することにより、ケイ酸塩マグマのアナログ物質であるケイ酸塩ガラスにおいて高圧下における密度変化と圧縮曲線の理解を目指す。 さらに、10-12月のAPS訪問時に、2019年度において弾性波速度測定を行ったFe-Sメルトを含むかんらん岩の実験後試料についてX線トモグラフィー測定を行い、この試料におけるFe-Sメルトの分布構造の理解を目指す。X線トモグラフィー測定により得られるメルトの分布構造結果と、2019年度に測定した弾性波速度結果を組み合わせることにより、岩石中のメルトの分布構造が弾性波速度低下に及ぼす影響を議論する。 また、大平格博士を共同研究者に加え、高圧下におけるマグマの状態・挙動を理解する上で重要なマグマの構造変化についての研究も推進する。アメリカのAPSには、高圧下におけるメルト・ガラスの構造測定が可能なビームライン16BMBもあり、Yanbin Wang博士、研究代表者、大平格博士は16BMBにおいて実験を行った経験を持っている。高圧下におけるケイ酸塩メルト・ガラスの構造変化の測定を組み合わせて高圧X線トモグラフィー測定による密度結果を議論することにより、地球内部の高圧下におけるマグマの構造変化とそれに伴う密度変化の理解を目指す。
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Causes of Carryover |
アメリカの放射光X線施設APSの2020-1期(2020年2-4月)におけるビームタイムの申請を行い、ビームライン13BMDにおける高圧X線トモグラフィー実験のためのビームタイムが採択されたため、2020年3月27日からアメリカ・シカゴ郊外に位置するAPSを訪問し、Yanbin Wang博士と国際共同研究実験を行うことを計画していた。しかしながら、新型コロナウィルスの影響により3月27日からの渡米が不可能となり、そのビームタイムスケジュールは延期となったため、渡米のために予定していた旅費が残額となり、次年度使用額が生じた。採択されたビームタイムは有効であるため、2020年10-12月におけるAPSの2020-3期でのビームタイム配分を依頼しており、その10-12月での渡米に使用することを計画している。
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