2023 Fiscal Year Annual Research Report
ナノビームを用いた小惑星リュウグウ試料の研究:C型小惑星の宇宙風化の解明に向けて
Project/Area Number |
19KK0094
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 高明 京都大学, 理学研究科, 教授 (40222195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10324609)
松本 徹 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (80750455)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | リュウグウ / C型小惑星 / 宇宙風化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度に引き続き,小惑星リュウグウ試料の初期分析国際チームのひとつである「砂の物質分析班」の班長として「砂の物質分析班」の行った研究の全貌をまとめた論文をMeteoritics and Planetary Science誌に投稿した。この論文は速やかに受理, Web上で掲載された(冊子体はまだである)。また,班員が作成する個別のテーマの論文作成の投稿前のチェックを行った。現在までに3本が同誌に受理され,Web上で掲載されている。さらに,本研究の研究分担者の松本が小惑星リュウグウの宇宙風化組織の第2弾論文を作成する際には第2著者として松本と共に内容を検討し,Nature Astronomy誌に投稿した。この論文は当班の2本目のNature Astronomy誌掲載論文となった(Influx of nitrogen-rich material from the outer Solar System indicated by iron nitride in Ryugu samples. Nat. Astron. 8, 207-215.)。初期分析の成果として,班員による数本の論文が投稿中である。コロナ禍で実際に世界各地の研究室を訪れて一緒に研究することはできなかったが,本研究費のおかげでそれら研究室に十分な数の試料を配布し,リモートでの議論がベースではあったが共同研究できた結果であると考えている。国際共同研究は成功したと言えよう。 また,リュウグウ試料が宇宙風化によって可視スペクトルが変化しているかどうかを調べるために,国際公募分析のリュウグウ試料のために窒素置換グローブボックスを準備した。残念なことに配付された試料に宇宙風化を受けたものがなかった。引き続き今後のリュウグウ試料研究で分析したい。
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