2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation regarding Multiscale Bio-Inspired Surface
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19KK0096
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中西 義孝 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90304740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 雄太 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70574341)
本田 拓朗 大分大学, 理工学部, 講師 (50850161)
中牟田 侑昌 崇城大学, 工学部, 助教 (30825766)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロマシニング / 機械的除去加工 / バイオインスパイヤード表面 |
Outline of Annual Research Achievements |
脆性材料や延性材料など、さまざまな材料に対して、(1)大面積・3次元曲面にマイクロマスキングを実施、(2)その曲面上を機械的除去加工でマイクロマシニングを実施、(3)マイクロパターン加工中にコーティング層を“その場”形成、できるシステム構築を目指している。また、蓮の葉や蛾の目など、生命体3次元表面上で発現している特異的な機能(表面構造:もち肌構造・サメ肌構造・蓮の葉/蛾の目構造)を人工材料上にMultiscale Bio-Inspired Surfaceとして加工できるようにするIoTグローバル分散システムの確立も目指している。 本年度はBio-Inspired Surfaceの設計・作成・応用・分析の各分野において、研究業績が顕著な海外3機関と連携した研究活動を中核とし、研究者間の“たすき掛け”共同研究が実施できる体制を整えた。さまざまな枠組みを超えることでイノベーションを創出するオープン・イノベーションに若手研究者を巻き込んでいる。 University of Twenteとは、蓮の葉/蛾の目構造への加工に必要なマイクロマスキングプロセスを共同開発し、ガラス面の高機能化だけではなく、新しい計測装置部品の開発へ発展させることができた。Shanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとは、マイクロマシニングプロセスで発生している物理 ・化学現象を解き明かすため、Bio-Inspired Surface作成・形成プロセスで利用する加工液の付加機能およびその効果について検証を行った。The University of Adelaideにおいて、歯科セラミックスの表面に存在する亀裂伝播の起点となるマイクロクラックや結晶欠陥を機械的に除去する研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナの影響により渡航ができず、電子メイル・会議システムなどの利用による遠隔議論により研究を進めた。完成を目指している加工システムの基本要素が確立し、アセンブリ過程に入ることができたため、このシステムを3d-Supremer(3-dimentional Surface Processing through Elimination by Mechanical Removing)と名付け、成果広報に利用することを開始した。 ヒト皮膚のトライボロジ分野の研究拠点であるUniversity of Twenteとは、研究代表者(中西)・分担者(中島・本田など)が、ガラス/ステンレス鋼へのBio-Inspired Surfaceデザインの導入を試みた。さらに、蓮の葉/蛾の目構造への加工に必要なマイクロマスキングプロセスを共同開発し、新しいソフトマテリアル用計測装置部品の開発へ発展させることができた。 トライボロジ問題の材料化学分野の研究拠点であるShanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとは、研究代表者(中西)・分担者(本田など)が、加工液の添加剤としての酸化グラフェンの機能に着目した研究を実施した。マイクロマシニングプロセスに応用する時点での強みと弱みを明らかにすることができた。 歯科セラミックス分野の研究拠点であるThe University of Adelaideとは、研究代表者(中西)・分担者(中牟田・中島・本田)が、歯科セラミックスなどの脆性材料の機械的除去加工法の探索をおこなった。加工と加工面評価を平行して行うことで、マイクロマシニングプロセスに応用する時点での強みと弱みを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、Bio-Inspired Surfaceの設計・作成・応用・分析での研究業績が顕著な海外3機関での研究活動が中核となる共同研究を実施する。さらにUniversity of Pennsylvaniaとも共同研究協力体制を整え、蓮の葉や蛾の目など、生命体3次元表面上で発現している特異的な機能を、いつでも・どこでも人工材料上に容易にMultiscale Bio-Inspired Surfaceとして創成できるようにする3d-Supremerテクノロジーの充実を図る。 University of Twenteとは、(1)ガラス/ステンレス鋼などの工業製品表面へのBio-Inspired Surfaceデザインの適用、 (2)防汚機能を発現できるBio-Inspired Surfaceデザインの提案、(3)マイクロ構造の形成精度向上に直結するマイクロマスキングプロセスの更新、(4)新しいソフトマテリアル物性測定装置の開発、を実施する。 Shanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとは、(1)Bio-Inspired Surface作成・形成プロセスで利用する加工液の設計・調整、(2)コーティング剤の設計・調整、(3)ヒト皮膚などの接触問題を物理・化学的に解き明かし、触感、防汚機能などを向上させるBio-Inspired Surfaceデザインの提案、を実施する。 The University of Adelaideとは、(1)亀裂伝播の起点となるマイクロクラックや結晶欠陥を機械的に除去する研究、(2)バイオフィルムの成長抑制など歯周病予防に効果があるかの検証研究、(3)Bio-Inspired Surfaceの機能評価方法を充実させる研究、を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、3つの海外研究拠点での活動を実施することができなかった。国内においては、研究者間の連絡調整体制ならびに国内での情報収集体制を強化し、全体計画に支障が発生しないような体制を整えた。 ヒト皮膚のトライボロジ分野の研究拠点であるUniversity of Twenteとは、遠隔議論により研究を進めている。ガラス/ステンレス鋼など工業製品表面の質感・触感・防汚機能などを向上させるBio-Inspired Surfaceデザインの検討が十分行われいるので、渡航が可能になった時点ですぐに現地での共同実験的な活動が可能である。 トライボロジ問題の材料化学分野の研究拠点であるShanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとも、遠隔議論により研究を進めている。両機関で実施した加工試験結果を付き合わせることで、どのような加工液が望ましいかの指針をえることができているので、渡航が可能になった時点ですぐに現地での共同実験的な活動が可能である。 歯科セラミックス分野の研究拠点であるThe University of Adelaideとも、遠隔議論により研究を進めている。機械的強度解析や材料表面機能分析を中心とした議論が十分行われているので、渡航が可能になった時点ですぐに現地での共同実験的な活動が可能である。
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Research Products
(28 results)