2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation regarding Multiscale Bio-Inspired Surface
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19KK0096
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中西 義孝 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90304740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 雄太 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70574341)
本田 拓朗 大分大学, 理工学部, 講師 (50850161)
中牟田 侑昌 崇城大学, 工学部, 助教 (30825766)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロマシニング / 機械的除去加工 / バイオインスパイヤード表面 |
Outline of Annual Research Achievements |
石英ガラスなどの脆性材料に対して、機械的除去加工を行う方法としてスラリージェット方式を採用することで、表面粗さが数nmという平滑かつ透明度の高い微細加工面へと調整することができた。設計通りの微細表面加工形状とするためにマイクロディスペンサやインクジェット式のマスキング材料塗布の仕組みを組み込むことで、サメ肌レベルの微細構造へと容易に加工することができた。マスキング装置および機械的除去加工装置を5軸運動装置と連携させることで3次元表面形状への加工も可能となった。蓮の葉や蛾の目構造などより緻密な形状加工のためのマスキングプロセス改良案を提案することができた。また、より大面積またはより凹凸の大きい加工へ対応するための機械的除去加工プロセス改良案を提案し、2023年度より実動を開始する体制が整った。 開発が終了した加工装置のシステム構成ならびに表面微細加工の実際の応用例について国内外の学術会議で成果発表を行い、連携関連機関との意見調整なども進めていった。特に、The University of Adelaideとは国際会議で連携分野に関わる話題を集約した特別セッションを開設し、技術交流を進めることができた。 また、トライボロジ問題の材料化学分野の研究拠点であるShanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとは、メイルとオンライン会合を行い、中国側での共同研究グラントの採択をうけ、特に酸化グラフェンなどの微細粒子と加工性能の関係に関する研究が飛躍的に進められる環境を整備できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
脆性材料や延性材料などを含むさまざまな材料の3次元表面に対して、(1)微細加工のためのマイクロマスキングを実施、(2)機械的除去加工でマイクロマシニングを実施、することができるシステムの構築に至り、その加工性能について検証を進め、最終目標への到達の道筋を明らかにすることができた。 Bio-Inspired Surfaceの設計・作成・応用・分析の各分野において、研究業績が顕著な海外3機関との連携が更に進んだ。University of Twenteと共同開発した光硬化性樹脂を用いたマイクロマスキングプロセスをさらに発展させ、蓮の葉や蛾の目構造などより緻密な形状加工のためのマスキングプロセス改良案を提案することができた。 University of Adelaideとは、歯科セラミックスの表面に存在する亀裂伝播の起点となるマイクロクラックや結晶欠陥の除去が可能であり、歯科セラミックス分野への応用が適切であることを共同で設置した国際会議セッションで確認することができた。 Shanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとは、新たなマイクロマシニングプロセスの可能性を探究し、酸化グラフェン(GO)を用いた加工法とその効果について検証するための新規中国側グラント(International Partnership Program of Chinese Academy of Sciences project for Grand Challenges; grant no. 307GJHZ2022034GC)の獲得に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
更新が完了している機械的除去システムの評価と調整を行い、設計が完了しているマスキングプロセスの改良を実施することで、最終目標であるIoTグローバル分散システムの確立をおこなう。 また、実施予定項目のうちマイクロパターン加工中にコーティング層を“その場”形成できるシステム構築については、Shanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとの共同研究を通じて、実施する予定である。 2023年度も海外3研究機関と連携を取りながら設置した国際会議セッションの場を用いた議論だけではなく、連携機関への渡航を実施し、より緊密な国際共同研究体制の体制を整える。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、3つの海外研究拠点での活動を十分に実施することができなかった。そこで国内における研究者間の連絡調整体制ならびに国内外での情報収集体制を強化し、全体計画に支障が発生しないような体制を整えた。 University of Twenteとは、遠隔議論により研究を進めている。すでに設定済みの国際会議の特別セッションで意見集約を実施し、その場で、渡航期間と実施内容についての議論を行う予定である。ガラス/ステンレス鋼など工業製品表面の質 感・触感・防汚機能などを向上させるBio-Inspired Surfaceデザインの検討が十分行われいるので、渡航が可能になった時点ですぐに現地での共同実験的な活動 が可能である。 Shanghai Advanced Research Institute, Chinese Academy of Sciencesとは2023年5月もしくは6月に研究代表者および研究分担者が渡航し、これまでの研究成果のすりあわせや今後の研究推進内容について調整することになっている。 The University of Adelaideとは2023年12月ごろに開催予定の国際会議にて特別セッションを企画し、その場でこれまでの研究成果のすりあわせや今後の研究推進内容について調整することになっている。
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