2019 Fiscal Year Research-status Report
International collaborative research work for friction factor and universal velocity profile in high Reynolds number pipe flow
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19KK0098
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古市 紀之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (10334921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252255)
経田 僚昭 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
和田 裕貴 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 安全研究・防災支援部門 安全研究センター, 研究職 (80836718)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 高レイノルズ数 / 円管乱流 / LDV / カルマン定数 / 空間分解能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、独PTB(Physikalisch-Technische Bundesanstalt)のDr. Julingを代表とする研究グループと、高分解能や多点面計測といった高機能付加されたLDVを用いて、高レイノルズ数円管乱流における管摩擦係数や平均速度分布型を確定するための研究を実施するものである。国際共同研究グループが所有する高温水実験設備を用い、管摩擦係数を高精度計測し、また、同グループが開発した高空間分解能LDVにより速度計測を行う。これらの実験により、これまで申請者らが提案してきた円管流における管摩擦係数の値や対数速度分布則におけるカルマン定数の普遍的な値を確定することを主目的として研究を行うものである。さらに、対数則成立における物理的背景を検証するために、乱れ強度分布の検証に加え、申請者らが開発した多点面計測LDVを用いて計測を行い、大規模構造が壁面近傍の運動量輸送に与える影響についても実験的研究を実施する計画をしている。また、この研究における実験手法に関して、高空間分解能LDVにより申請者らが開発した空間分解能に対する補正方法の検証を行い、平均速度や乱れ強度に対する測定体積の影響を詳細に解明することで、本実験における成果の妥当性を高めることを目的としている。 令和元年度においては、令和2年10月からのドイツPTBにおける実験の開始のための準備を実施した。主には、ウィンドーチャンバーの改良である。このウィンドーチャンバーを試験部に設置することによりLDVによる計測が可能となるが、PTBにおける高空間分解能LDVは、ウィンドーチャンバーの両面からの計測が必要である。そのため、窓部を追加工し、また新たに真円度のより高いガラス管を挿入した。現在、当該ウィンドチャンバーによる予備試験を実施しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度よりの現地(ドイツ、ベルリン)における実験の開始を予定しており、そのための実験準備を行ってきた。また、現地での打ち合わせを実施し、今後の計画について入念な調整を行った。令和2年8月には、ベルリンにおいてワークショップを行い、研究の方向性について再度調整をし、同年10月から試験を実施できるように現地との調整を終えた。現地においても、10月からの共同研究実施に向けて準備を進めてきた。したがって、当該年度の研究進捗状況については計画通り、順調に進展してきたといえる。 一方で、現在の新型コロナ情勢において、海外への渡航については先行きがまったく見えない状況となっているため、今後については調整が必須である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は国際共同研究であり、現地(ドイツ、ベルリン)での実験により成果を出すものであることから、現在の新型コロナ情勢に影響を受けることは必至である。現時点では、予定していた8月のワークショップおよび実験の開始を半年ほど遅らせることで現地と調整を行っているが、今後の情勢次第によってはそのスケジュールについても改めて考慮しないといけないであろう。もし、半年後にコロナ情勢が落ち着き、海外渡航を問題なく実施できる状況になったとして、ワークショップを1月または2月に実施、第一次実験を、同じタイミングでスタートできるようにすることを考えている。可能な限り年度内に第一次実験を開始したいと考えている。なお、第一次試験は、管摩擦に関する実験であり、産業技術総合研究所から配管を輸送し現地で実験するとともに、PTBにおいて準備された配管においても同じ実験を行い、相互に実験結果を比較するものである。 その後の第二次、第三次の実験についてもコロナ情勢次第ではあるが、出来る限りで予定していたスケジュール通りに実施できるように調整を進める。
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Causes of Carryover |
当初計画において令和元年度においては、現地実験準備のためのウィンドーチャンバーの改良と粗面管を購入することを計画していたが、より高度な計測のために粗面管の圧力計測部の仕様の内容を変更したところ、当初計画していた予算の枠内におさまらないこととなった。そのため、次年度使用額との差が生じた。粗面管での試験は、第二次実験以降とすることで、まず令和元年度においてはウィンドーチャンバーの改良を行い、令和2年度の予算と合わせて粗面管の準備を実施することを計画している。
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Research Products
(1 results)