2021 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic mechanism of turbidity current for long-distance sediment transport through integration of numerical science and high resolution measurement technique
Project/Area Number |
19KK0110
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
西浦 泰介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), グループリーダー代理 (60509719)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 瞬 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (20705701)
古市 幹人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), グループリーダー (50415981)
大島 逸平 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (40851845)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
Keywords | 海底乱泥流 / 高精度計測技術 / 粒子流体シミュレーション / 大規模数値計算 / 海底地盤災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
海底で大規模に進行する土砂流れ(乱泥流)の被害予測・リスク管理に向け,スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の水工学研究室と共同研究を進めている.地震や季節的な水位変動に起因する「海底斜面の不安定化」により頻発する乱泥流は,海底構造物を破壊しながら数千km以上流動する.しかしながら,その発生場所や規模の予測は困難であり,海洋における大規模なインフラ整備や海底資源開発の妨げとなっており,被害の定量化や適切な対策の立案を行うことが重要となっている. 本研究では,共同研究の相手方であるEPFL研究室が有する高精度超音波計測技術と初期・境界条件が管理可能な水槽実験設備を利用し,①粒子懸濁液の速度場,濃度場,粒度分布を計測する手法を確立を目指し,②乱泥流の詳細な運動メカニズムを明らかにする.実験結果をもとに,研究代表者らが有する③粒子-流体相互作用を考慮したシミュレーション技術の高度化を図り,④乱泥流の長距離土砂輸送メカニズムについて論理性・普遍性・客観性を有する包括的な説明手法を提案することを目的としている. 本年度は,乱泥流を模擬した粒子懸濁液の連続注入による水槽実験の結果をまとめ,乱泥流運動中の堆積過程の時空間発展に関する成果を国際ジャーナルに投稿し、採択・掲載された.加えて、乱泥流の長期継続運動メカニズムの解明に向け、連続注入可能な実験環境を準備し観測のための環境を整えた.また,粒子-流体の相互作用整理のための数理アルゴリズムの修正を進める中で,その高精度化を実現した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乱泥流の運動性を高精度で評価するための実験環境を整備することができた。また装置において実施する流速計測技術や可視化手法等の技術開発が進んだ。加えて、実験結果を検証するための数値解析シミュレーターの改良を適切に行うことができた。さらに、水槽実験による成果をまとめ国際ジャーナルにて論文として発表することができている。今年度の成果を次年度に活用し発展させていくこと想定していた以上の研究成果を創生できる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験水槽を用い、懸濁液の①初期比重,②流入量,③粒子物性(粒度/吸着性)等によって変化する乱泥流の流況を,構築予定の撮影機材によって高精度に観察するとともに、各種計測装置よって得られた情報をもとに運動性を評価する手法を開発する.流れを観察するための実験設備を高度化する中で,粒子と流体の相互作用によって引き起こされる諸現象を整理し,流れの内部における流速・濃度分布・粒子-流体相互作用を明らかにする.合わせて、超音波エコーや側面画像等の情報から領域の濃度分布の定性的な評価が可能か検討を進め,速度・濃度・粒子径のプロファイリング技術を確立する. 独自開発を進めている粒子-流体連成解析コードの改良を推進し,乱泥流で生じる諸現象を再現するためのモデルの開発や計算手法を模索する.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により予定していたEPFL(@スイス ローザンヌ)における研究打ち合わせが実施できなかった. 令和4年度以降にEPFLで実施する研究の打ち合わせ,滞在費用および,計測用水路の作成費用に充てる予定である.
|
Research Products
(2 results)