2019 Fiscal Year Research-status Report
Usable traditional masonry construction-Development of new masonry houses in the mountainous areas in Nepal
Project/Area Number |
19KK0112
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大氏 正嗣 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (70709716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 天心 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (40447652)
籔谷 祐介 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (40730825)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 改良土 / 添加水量 / 組積造 / 伝統建築 / 岩塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年12月にネパールに渡航し、カトマンズ盆地の旧王宮があったパタンにおいて、歴史的組積造建物に用いられている黄土を用い、石灰と岩塩を添加した改良土の圧縮試験を水の量をパラメーターにして実施した。また、ネパール各地の土を採取するために、カトマンズ盆地以外で最初にチトワンに行き、一般的に用いられている土を2種類、合計20kg取得した。さらに、次の実験を想定してカトマンズ盆地の旧王宮があった古都バクタプルで入手できる赤土による試験体を岩塩、藁、水量をパラメータにして作成、3月に試験を行う準備をした。実験結果より、黄土でも岩塩による強度向上場効果は見られたが、赤土と比較するとベースとなる強度が低いことが分かった。また、水分量については少なすぎると強度低下を生じ、多すぎた場合には乾燥収縮によるひび割れが強度低下を招くことが分かった。 同時に、12月の渡航でユネスコのカトマンズ事務所と共同研究について議論を行い、3月の調印を目指す旨の合意を行った。別途、2月にはネパールの地方政府議長と日本で面談し、本研究のパイロットモデル住宅建設に興味を得て、5月に現地地方政府議員等の要人に説明することを合意した。 ただ、新型コロナウイルス感染症の広がりにより3月には入国禁止措置が取られ、渡航が不可能になり、ユネスコとの共同研究調印はキャンセル、5月の地方政府への説明も延期となった。日本での対比試験として赤土の試験体を3月に作成。その圧縮試験を6月に実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症により影響で、ネパールで3月に実施を予定していた実験、および現地調査、ユネスコとの共同研究調印を遂行できなかった。感染症の流行が収まるまで、現地での活動が難しいため日本で可能な研究を進めていくことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
当面の間、現地での活動ができない状況にあり、日本で進められる新たな組積造住宅設計方法に関するシミュレーションを今後先行させる方向に変更し、研究を遂行して行く。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより、3月に予定していた研究者3名のネパールへの渡航ができなくなったことが理由である。 現時点ではコロナウイルス感染症収束状況が不明のため、日本国内で比較対照試験としての改良土試験を実施し、新しい組積造住宅モデルの事前シミュレーションおよび仮設計を行う。
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