2020 Fiscal Year Research-status Report
海上交通管理の持続可能性に配慮したVTSオペレータのための意思決定支援システム
Project/Area Number |
19KK0122
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
瀬田 広明 東海大学, 海洋学部, 教授 (20311037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 南穂子 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10598543)
鈴木 治 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (20270275)
今井 康之 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90506510)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | VTS / 海上交通 / AIS / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究の目的は、トルコ共和国にあるITU(IstanbulTechnicalUniversity:イスタンブル工科大学)を共同研究先とし、VTSオペレータのための意思決定支援システムを設計することである。 (1)コロナ禍により渡航が不可能であった。そこで、本年度の渡航時に研究が円滑に遂行できるように、(a)テレビ会議システムを用いてコミュニケーションを密にした。(b)イスタンブルVTSセンターでの実験日時や実験項目などの手順書を修正した。(c)その他、研究遂行上の問題点と対処方法について科学的・技術的的観点と社会的・経済的観点の両面から整理検討した。 (2)視線計測装置の性能限界および可視化のための表現技法について試験、検討を実施した。そのため、小型船舶と自動車を操縦または運転中における視線計測を実施し、両者の比較を行った。自動車では視線の多くの時間が前方を向いており、建物の入り口や道路交差部を確認する際には頭部を動かして視線を動かしていた。他方の小型船舶は前方以外にも側方にも頭部運動を伴いながら視線を動かしていた。つまり、小型船舶操縦時は自動車と比較して広範囲に固視点が分布しており、頭部の動きや視線の動きが大きい反面、1秒当たりの固視回数は自動車とほぼ同等であり、つまり操縦の最中は自動車と比較して広範囲の見張りや安全確認を行っており、操縦者への負荷が大きいことが示唆された。 (3)イスタンブル海峡における海上交通の安全性評価を適宜実施し、操船指示判断基準策定のための分析方法や解析手法の効率化、表現方法などについても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本国際共同研究はITUに直接出向いて実施する研究計画である。しかし、COVID-19感染拡大防止策によりトルコ共和国への渡航が禁止されたため。 また、ITUの海外共同研究者らもトルコ国内での緊急事態宣言により、外出禁止となり研究継続が困難な状況となっているため。 感染拡大防止の観点から、国内のVTSオペレータの視線測定までには至らず、次年度の課題として持ち越すこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
トルコ共和国への渡航禁止が解除されれば、現地や日本国内の状況を鑑み、安全性を優先して渡航計画を立案する。渡航禁止期間中は海外共同研究者との連絡を密にして実施可能な研究項目やその関連事項について調査、研究を実施する。渡航制限が長期化することを想定し、開発予定の意思決定支援システムに役立たせるため以下の内容を実施する。 (1)国内にある海上交通管制施設(マーチスやポートラジオ)のオペレータに対して視線計測実験を実施する。 (2)視線計測実験で得られたデータの解析を行う。 (3)操船者の立場からみた海上交通管制のあり方を検討する。
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Causes of Carryover |
渡航時期を翌年に繰り越したため、その予算を2021年度の渡航時に使用した方が有効であると判断した。
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Research Products
(6 results)