2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19KK0128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 洋史 大阪大学, 工学研究科, 教授 (50551173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新家 寛正 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40768983)
川村 隆三 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50534591)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | レーザーアブレーション / レーザートラッピング / 結晶化 / 自己組織化 / 有機バイオ材料 / キラリティ / 金属粒子 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本共同研究では、台湾および日本で独自開発された2種類のレーザー結晶化技術を基盤とした秩序構造形成法を開発し、従来の性能や機能を超える革新的材料を目指している。 2021年度は、これまでに引き続き、日台のレーザー技術の高度化と、機能性材料の創製への応用に関する共同研究を進めてきた。レーザー技術の高度化に関しては、秩序構造形成プロセスである核の発生や成長に最適なレーザー照射条件(例:偏光、パルス時間幅、波長、エネルギーなど)の検討を進めた。また得られた最適条件をベースとして、医薬品化合物やタンパク質などの弱い分子間引力で秩序構造形成する物質群を取り扱い、従来法では困難な特異な構造を得ることを試みている。この中でもタンパク質を用いた系については、レーザーの熱や電場の作用により特異な秩序構造が得られることを見出し、学会発表したとともに論文化を目指してさらに実験を進めている。 また2021年度も新型コロナウイルスにより実際に渡航しての共同研究実施が困難であったため、主にオンライン形を介して議論を深めてきた。例えば、2021年12月には日台共同でのオンライン形式の国際ワークショップを開催し、研究代表者と全ての研究分担者(2名)、さらに日本側から2名、台湾側から3名の学生が共同研究の成果や進捗などについて議論した。またこのうち日本側学生1名は海外渡航の奨学金を獲得し、新型コロナウイルスの状況が改善すれば2022年度に長期で台湾現地にて本共同研究に参画する予定であり、シニアの研究者と学生を含めた集団的な人的交流する環境を整備することに努めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響で実際に渡航しても研究交流は滞っているが、オンライン形式での定期的なミーティングやワークショップを活用しつつ議論を深めている。その結果、2019~2021年度までの3年間で国際共著論文7報の発表などに至っており、本共同研究課題はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も新型コロナウイルスにより日台間の円滑な移動が困難な状況が予想されるが、定期的なオンライン会議などを通じて国際共同研究を推進する予定である。移動に関する状況が緩和した際には、台湾への渡航を予定している。
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Causes of Carryover |
研究者の旅費に使用する予定であったが新型コロナウイルスの影響により残額が生じた。今後も円滑な渡航が難しい状況がしばらく続くことが予想されるため、日本にて国際共同研究課題を推進できる体制を整えるための物品費に使用する予定である。
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