2022 Fiscal Year Research-status Report
グラファイト質金鉱石のバイオハイドロメタラジーの学理
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19KK0135
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹木 圭子 九州大学, 工学研究院, 教授 (30311525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 一 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10706386)
金田 隆 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20243909)
GUO BINGLIN 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (60839588) [Withdrawn]
KONADU KOJO・TWUM 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (40873394) [Withdrawn]
Suyantara Gde・Pandhe・Wisnu 九州大学, 工学研究院, 特任助教 (70932367)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 超難処理炭素質金鉱石 / 酵素反応 / リグニン分解酵素 / 炭素質物質 / 低環境負荷抽出剤 / ラマン分光 / グラファイト化度 / QEMSCAN |
Outline of Annual Research Achievements |
超難処理金鉱石の炭素質分解法として安定度の高いラッカーゼによる酵素反応によるメリットとデメリットを整理し、その前段となる硫化鉱物の分解法との組み合わせも考慮する必要があることを明らかにした。実装化を見据えて、ラッカーゼ活性の高い酵素を放出するキノコの種類を明らかにした。前処理後の金の抽出段階では、シアン化法とチオ尿素やアミノ酸など低環境負荷型の抽出剤の適用条件と適している金鉱石のタイプを調べた。International Biohydrometallurgy Symposium (Perth, Nov. 2022)にて、これらの成果を発表すると同時に、論文としてまとめ投稿中である。一部の論文は今年度投稿して受理され公表済みである。 豪州との研究交流は、IBS2022(パース、2022年11月)にて、学術研究員、博士課程および修士課程の大学院生らによる5件の研究発表を実施し、そのあと博士課程の大学院生を伴ってカーティン大学に訪問し、研究打ち合わせを行った。2023年2月にはカーティン大学Eksteen 教授が九大に来訪し、研究代表者である笹木にカーティン大学客員教授となる依頼があり、2023年4月から3年間の辞令がでた。笹木は九大アジア・オセアニア研究教育機構を通して、2021年に九大とカーティン大学の大学間協定の締結に推進的役割を果たし、この度の依頼は共同研究を実質的に推進することを期待されていることを意味している。研究プロジェクトに従事していた修士課程の学生が博士課程進学希望で、JSPS DC1に採用となったり、博士課程の留学生が学位取得し、資源系日本企業に採用となったり、外国人学術研究員が研究成果を積み重ね、金の資源国である母国の大学教員として就職したり、若手研究者の育成にも実りが多い1年であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
豪州から提供された超難処理金鉱石を用いて、硫化物分解と酵素による炭素質分解の逐次処理を実施し、比較的安定性の高いリグニン分解系酵素ラッカーゼを用いる場合に、前段の硫化物分解は鉄酸化菌によるバイオオキシデーションではなく、Fe3+イオンによる化学酸化がよいことを示し、炭素質金鉱石全般の処理方法のガイドラインとなるフローシートを作成した。代表者笹木は、シアンに代わる低環境負荷型金抽出剤の検討に関する論文を2報公表し、炭素質金鉱石全般の処理方法のガイドラインとなるフローシートを導く根拠となる直接結果を含む論文、金の微量分析に関する論文、南アフリカ産のグラファイト化度が異なるふたつの炭素質金鉱石の逐次処理、ラッカーゼの分散添加効果に関する論文など5報の論文を投稿中である。分担者金田は市販のキノコ数種から水溶性のラッカーゼを抽出し独自に開発した分析法に依って、酵素活性を比較し、論文を投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
Fe3+イオンによる硫化物の化学酸化では元素硫黄が表面に残り、金の粒子に抽出剤がアクセスできない障害となっていることが考えられ、バイオオキシデーションの過程で生ずる細胞外放出物質さえ取り除くことができれば、硫化物分解の工程をバイオプロセスで置き換えることができる可能性もある。シアンに代わる抽出剤として、酸性条件で抽出できるチオ尿素を検討しているが、最終的に金チオ尿素錯体を回収する方法としてシアンで実施されている活性炭への吸着ではリスが大きいことが既知となっているので、この点も検討が必要である。今年度は最終年度であり、以上に挙げた点を明らかにし、超難処理金鉱石の前処理から抽出までを一貫して低環境負荷プロセスで作り上げることを目標として本課題を推進していく。
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Causes of Carryover |
二国間共同研究(豪州)の同時採択により、豪州への旅費はそちらで賄うことができた。新型コロナウイルスのまん延により、2021年に予定されていた国際学会IBSが2022年にずれ込み、豪州が主催国であったため、関係者が国際会議の開催準備に多忙を極め、日本に招聘することはできなかった。これらのことが旅費の支出が伸びなかった主な原因である。2023年度は最終年度で、なるべく成果発信のために地球化学系の国際会議への出席も予定している。
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Research Products
(18 results)