2020 Fiscal Year Research-status Report
International joint research for solving food problems caused by root-parasitic weed Striga in sub-Saharan Africa
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19KK0152
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
槇原 大悟 名古屋大学, 農学国際教育研究センター, 准教授 (70452183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 雄一朗 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (00442989)
菊田 真由実 名古屋大学, アジア共創教育研究機構, 特任助教 (20788418)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 根寄生雑草 / Striga hermonthica / 人工ストリゴラクトン / 自殺発芽剤 / トウモロコシ / ソルガム / シコクビエ / ケニア |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はコロナ禍によりケニアへの渡航が制限されたため、国内の研究室内での実験とケニア現地において遠隔で行うことができるシンプルな実験に終始した。これまでにストライガ植物体よりFTAカードに収集したDNAの回収方法について、精製法およびPCRによる検証法(標的DNA、プライマー、酵素等)について検討を行った。最終的に、2mm生体パンチでくり抜いたFTAカードをキットのプロトコールに従って精製し、ゲノムが読まれていないストライガから安定してrDNA ITS領域を増やすことのできるプライマーおよび供雑物の多いサンプルからの増幅を可能とするMightyAmp DNAポリメラーゼを用いる方法を確立した。 ケニアで実施した圃場試験では、ストライガの出現数とトウモロコシの地上部乾物重との間に有意な負の相関関係が認められた。しかし、ストライガ出現数に及ぼすSPL7の影響は明確に出来なかった。そこで、ケニアの現地環境で安定してストライガを寄生させる条件をポット試験により検討し、自殺発芽試験のベースとなるプロトコールの設定に取り組んだ。具体的には、ストライガ種子のコンディショニングの期間、ポットに加えるストライガの量および施肥条件について検討し、特に施肥条件が重要な要素であることを突き止めた。また、粘土質で透水性の低い水田土壌では、畑土壌と比べてSPL7の効果が抑制されることが分かった。現在さらに詳細な条件の検討を行っており、終了次第SPL7を用いたポットレベルでの自殺発芽試験へと移行する。 農家に対する聞き取り調査からは、ストライガによる被害を受けている農家の66%が何も対策を行っていないこと、対策を取っていない農家の65%は今後対策を講じたいと考えていることなどが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、コロナ禍の影響によりケニアに渡航することが出来なかったため、ケニアの圃場で行った栽培試験におけるデータ収集を十分に行うことができなかった。また、2020年度にケニアで行う予定であったSPL7を利用したポット試験、農家圃場からの植物体および土壌のサンプリング、および農家に対する聞き取り調査については延期せざるを得ない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が続いており、ケニアへの渡航は制限されているため、ケニアでの実験は現地の協力者に依頼して実施する。また、ストライガの出現が最も多くなる7月頃に、ストライガの種子を含む植物体および宿主作物の農家圃場からのサンプリング、および農家に対する聞き取り調査を現地の共同研究者に依頼して実施する。また、これまでにFTAカードに収集したストライガのDNAを回収し、遺伝解析を進める予定である。さらに、SPL7処理の時期および方法について検討するとともに土壌中でのSPL7の動態を詳しく調査する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によりケニアへの渡航が制限されたため、旅費を執行しなかった。また、ケニアの圃場における栽培試験の一部、および現地でのフィールド調査を実施することが出来なかった。次年度、コロナ禍が収束すれば、主に旅費、圃場試験およびフィールド調査の経費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)