2020 Fiscal Year Research-status Report
東南アジアにおける侵入害虫キャッサバコナカイガラムシの生物的防除の有効性
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19KK0153
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高須 啓志 九州大学, 農学研究院, 教授 (50212006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 俊一郎 九州大学, 農学研究院, 助教 (90725045)
松尾 和典 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (90741281)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 伝統的生物的防除 |
Outline of Annual Research Achievements |
2009年にタイで最初に発見されたキャッサバコナカイガラムシは急速にタイ国内および近隣の国に広がり大発生した。この害虫の防除のためにタイはアフリカのIITAからキャッサバコナカイガラムシトビコバチを導入し、防除に成功した。タイ、ベトナム、およびカンボジアを中心とした国際共同研究によってこの天敵を利用した生物的防除の有効性を科学的に評価することがこの研究の目的である。そのため、2020年度ではベトナム、カンボジア、タイでキャッサバ害虫の野外での発生状況、キャッサバコナカイガラムシの天敵除去実験、土着天敵の影響について現地で、PCRを用いた効率的な寄生検出法の開発を日本で研究する予定であった。しかし、2020年1月以降新型コロナウイルスの発生に伴いタイ、ベトナム、カンボジアへの渡航が禁止となったため、カンボジアにおけるキャッサバコナカイガラムシとその寄生蜂の季節的消長調査を現地のバッタンバン大学の共同研究者に依頼して実施した。その結果、キャッサバにおけるコナカイガラムシとその競争種パパイヤコナカイガラムシの発生は2020年4月~10月の雨期にはなく、2020年11月~2021年3月には極めて低密度で発生した。発生した圃場ではキャッサバコナカイガラトビコバチの寄生が見られた。また、キャッサバコナカイガラムシが生息していた畑では多くの土着天敵クサカゲロウの産卵が観察されたことから寄生蜂に加えてクサカゲロウの捕食が乾期のキャッサバコナカイガラムシの防除に貢献している可能性が示唆された。キャッサバコナカイガラムシの1次寄生蜂による寄生の有無を検出するPCR法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス蔓延により、2021年度はまったく現地において調査ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスによる渡航禁止が解除され次第現地での共同研究を実施する。それまでの間、九州大学において研究対象昆虫キャッサバコナカイガラムシとその寄生蜂キャッサバコナカイガラトビコバチの室内研究を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延により渡航禁止となり、現地での研究が全くできなかったため、現地での研究に係る旅費、物品費、人件費等が使えなかった。2021年度は、渡航が可能となり次第現地に入り、研究を実施するための旅費と物品費、また九州大学で雇用する学術研究者のための人件費を使用する。
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Research Products
(7 results)