2019 Fiscal Year Research-status Report
海鳥類を新たな汚染トレーサーとした環境モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
19KK0159
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄子 晶子 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30792080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新妻 靖章 名城大学, 農学部, 教授 (00387763)
徳永 幸彦 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90237074)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 汚染物質 / 海鳥 / 水銀輸送 / バイオロギング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2019年10月に始まったため、今年度の野外調査は実施していない。そこで、2020年度以降に行う野外調査及び化学分析の計画や準備について、2019年12月に研究分担者(名城大学=新妻靖章、筑波大学=徳永幸彦)と筑波大学内で会議を行い、その後も緊密に連絡を取り合っている。新妻が担当する安定同位体比分析及び水銀濃度測定の準備、徳永が担当する高性能マイクを用いた海鳥個体捕獲システムの開発、庄子が担当するデータロガー装着用の足輪製作及び安全かつ効率的な個体捕獲方法の開発等が進められており、来年度から本格的に始動する調査及び分析の準備が順調に進んでいる。また、国際共同研究者(カナダのマッギル大学=カイル・エリオット博士)とは、メール及びオンライン会議ツールを用いてミーティングを行っており、野外調査実施に必要な許可申請手続き、調査地での安全管理、データ収集方法、人員配置等に関わる準備を整えている。さらに、海外研究協力者(カナダのオタワ大学=ステファン・アリスブロソウ博士)とは、データ解析及びネットワークモデル開発について議論を進めており、データ収集及び化学分析実施後のモデル構築について、その詳細の確認を行っている。この他、本研究の関連研究として、本研究の調査対象種である海鳥類のウトウ及びエトピリカと同じく、魚食性鳥類で海洋生態系の高次捕食者である猛禽類のミサゴの羽を用いて水銀濃度測定を行い、本研究期間中にその成果を日本鳥学会誌において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように具体的な野外調査はまだ始まっておらず、準備を進めている段階である。ただし、2020年度からすぐに調査を始められる体制が整ったため、(2)「おおむね 順調に進展している」と判断した。また、今回の国際共同研究体制の構築により、アメリカ合衆国・ミドルトン島で繁殖するウトウ及びエトピリカの研究に関して、カナダのマッギル大学、アメリカのInstitute for Seabird research and conservation、名城大学、筑波大学で新たな研究プロジェクトを立ち上げることができ、今後もその発展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに研究を遂行していく。2020年度からは野外調査を開始し、データ収集及び化学分析を行う。データ解析及びネットワークモデルの構築後、得られた成果を論文にまとめ、国際学術誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
一部消耗品の納入が遅れて次年度に繰り越されたため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)