2020 Fiscal Year Research-status Report
海鳥類を新たな汚染トレーサーとした環境モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
19KK0159
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄子 晶子 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30792080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新妻 靖章 名城大学, 農学部, 教授 (00387763)
徳永 幸彦 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90237074)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 汚染物質 / 海鳥 / バイオロギング / 水銀輸送 / 行動 / 海洋生態系 / 海洋環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,日本(汚染物質の排出源)及び北米アラスカ(汚染物質の輸送先)の海鳥類をモデル生物とし,高次捕食者による水銀の輸送メカニズムと輸送先である海洋への影響を評価するため,バイオロギング技術や各種化学分析等を用いて水銀の大陸間輸送の実態を明らかにする.2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により,調査地である天売島(北海道)とミドルトン島(アラスカ)での野外調査が中止となった.しかし,海外研究協力者(カナダケベック州立マッギル大学.Kyle Elliott氏,他数名)らの協力により,計画の一部を変更して野外調査の委託を行うことができた.さらに,国内や海外において新規に共同研究を構築することで,当初予定していた個体群間及び種間比較だけではなく,海域間での比較も可能となり,クロアシアホウドリ(東京都鳥島),コシジロウミツバメ(北海道大黒島),ミサゴ(青森県・秋田県),マンクスミズナギドリ及びニシツノメドリ(イギリス・スコマー島)から化学分析用の体組織を採取することができた.また,非繁殖期の移動経路が明らかになっていない種において可能であった場合は,委託した調査や共同研究にてデータロガー(動物装着型小型記録計及び浸水計)を装着し,移動軌跡と行動データを収集した.以上をもとに,各種化学分析及び行動データ解析等を開始し,水銀拡散モデルの試作が進められており,2021年度の野外調査データとの統合に備えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により,2020年度の野外調査を実施することができなくなったが,これをきっかけに国内外で新たな共同研究をいくつも構築したことで,当初予定していた以上のデータを収集することができた.この成果により,日本とアメリカの調査地2地点における比較だけでなく,範囲を広げて海域全体で評価することが可能となる.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に採取された体組織の化学分析を実施するとともに,2021年度の野外調査を開始してデータロガーの回収を行う.データ解析及びネットワークモデルの構築後,得られた成果を論文にまとめて国際学術誌に投稿する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により計画変更が生じたため 当初の計画を修正し,2020年度に予定していた野外調査項目を併せて2021年度及び2022年度に実施する.
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Research Products
(9 results)