2020 Fiscal Year Research-status Report
Comparison of forest structure between Southeast Asia and Latin America in relation to light competition and disturbance
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19KK0162
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70578864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 緑子 京都大学, 農学研究科, 教授 (90293919)
飯田 佳子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40773479)
青柳 亮太 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 学振特別研究員 (20795132)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 樹高 / 気候 / 樹冠構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
湿潤で日射の多い地域には、巨大なバイオマスをもつ熱帯林が形成され、地球の物質循環や生物多様性を考える上でも、極めて重要である。近年の研究によ り、同等の年降水量や気温をもつ熱帯林であっても、東南アジア(旧熱帯)では、中南米(新熱帯)に比べ、突出木(超高木)が多いなど森林構造に有意な違い があることがわかってきた。この原因は謎である。本研究では、競争と撹乱の関係から、熱帯林の構造の違いを明らかにすることを目的としている。 新型コロナの影響により、2020年3月に予定していた調査がキャンセルになって以降、調査再開の機会を窺っていたが、残念ながら、日本もパナマもコロナの感染状況が悪く、渡航できる状況にはならなかった。 渡航はできなかったものの、熱帯雨林の樹高の違いとその原因を明らかにするために、全球レベルの樹高データと各種の気候や土壌などのパラメータを統合し、全球スケールでの樹高分析に着手した。従来の解析モデルでは考慮されていなかった土壌や風速、異常気象の影響を新たに考慮することにより、説明力が大幅に上昇した。この結果は、2021年の生態学会大会でが英語発表し、英語発表賞を受賞した(Tachibana & Onoda 2021)。 その他、代表者・分担者それぞれによって、樹冠構造やアロメトリー、葉形質の地理変異など、本プロジェクトに密接に関係する国際共同研究が進展し、発表された論文も複数あった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響で、渡航ができず、現地調査を行えないため、現地での新規データの取得が計画よりも遅れている。その一方で、データベース解析や関連の国際共同研究を進め、当初の計画では想定していなかった成果をあげ、現地調査の遅れを別の形で補うことが出来始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスが収束するまでは、スミソニアン研究所は研究者の訪問を受け付けないことを明言しており、今年度、いつ活動を開始できるかは不透明である。ただし、すでに研究計画は決まっており、調査許可の手順は一度経験済みであるので、事態が収束すれば、速やかに実行に移すことはできる。また現地での調査に備えて、測定手法の確立など、やれることは進めていく。 一方で、海外調査ができなくても、データベース解析によっても、本研究の目的である熱帯林の高さの地理変異について、取り組むことが可能であることがわかったため、この研究を引き続き推進することによって、当初の目的達成に向けて、取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
新型コロナにより渡航できておらず残高が多いが、調査が再開された際には必要な経費である。
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Research Products
(6 results)