2021 Fiscal Year Research-status Report
Assessment on the effects of salt intake and cold chain on national health improvement in Southeast Asian nations
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19KK0166
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 徹也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40420228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 祥子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70451771)
関山 牧子 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (90396896)
佐々木 俊介 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), 助教 (70792208)
池田 真也 茨城大学, 農学部, 助教 (40816823)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | インドネシア / 中国 / ブータン / 国民皆保険 / 栄養調査 / 青果物市場 / 廃棄物管理 / 野生果実 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、インドネシアを対象とする社会経済調査に基づく研究成果を学術論文および書籍として公表した。具体的には、インドネシア・西ジャワ州バンドン市近郊におけるジャムゥの利用に関する予測因子の分析に焦点を当てた社会経済学的調査を、計926世帯(都市部:453世帯、農村部:473世帯)を対象に実施した結果、「農村部に居住していること」「高学歴であること」「既往歴を有すること」「民間薬の知識を有すること」「伝統医療の安全性と効能およびについて好意的であること」および「健康に関する価値観」がジャムゥの利用に関する予測因子であることを明らかにした。また、インドネシアの7州28ヶ所の医療機関に勤務する医療従事者31名を対象とする半構造型インタビュー調査を実施した結果、調査対象者である医療従事者のジャムゥに対する認識のほとんどが肯定的である一方、伝統医療と近代医療の統合を促進するためにはジャムゥに関する医療従事者の知識水準の改善、伝統医療実践のエビデンスに基づく実践への改善、ジャムゥの安全性および有効性の改善が今後の課題であることを明らかにした。その他、インドネシア国民の食生活と関連する伝統的な農産物市場や貧困層の経済水準に関する現状のフィールドワークに基づく研究成果を学術論文および書籍として公表している。 さらに、新型コロナウイルス感染症の発生と蔓延により研究者が研究目的で当初予定していた調査対象国に入国できないという状況を乗り越えるため、本研究プロジェクトと関連づける調査対象国を拡大した。具体的には、中国の国民健康・栄養調査データを活用して三大栄養素の摂取状況が都市部と農村部で大きく異なることを明らかにした。また、ブータンで食用および薬用としてに利用されている野生果実に関する民族植物学的調査を実施し、国際誌に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の発生と蔓延により研究者が研究目的で調査対象国に入国できないという状況が2021年度末まで続いていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、本研究課題は令和5年度に終了する予定であったが、終了年度を1年延長し、令和6年度終了に変更予定である。また、オンラインによるインタビューおよび質問紙調査以外の研究に加えて、世界各国の国民健康・栄養調査データのマクロ解析や調査対象国を研究者が入国可能な国に変更する等の方法により今後の研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響による現地調査の中止、および調査対象国での簡易センサによる尿測定調査に関連する設備備品の購入を見送ったことによるものである。次年度に現地で国民健康改善に関わる社会調査がもし実施可能となれば、その実施規模を当初の予定より拡大する方向である。調査対象国の変更も現在検討中である。
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